
つわり中の働き方について悩んでいる看護師さんもいるかもしれません。ハードな看護師の仕事は、妊娠初期でつわり症状がある人にとってつらいと感じやすい環境です。
この記事では、看護師がつわりで仕事がつらいと感じる理由や悩んだときの対処法を解説します。妊娠中の経過と働き方の変化と職場への報告の仕方、注意すべき点も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
厚生労働省「働く女性の心とからだの応援サイト 母性健康管理に関する用語辞典」では、つわりについて以下のように説明しています。
「食欲不振、吐き気、嘔吐などのつわり症状は、環境や精神的要素が大きく作用し、特に強いにおいや換気不足、高温多湿、騒音などの作業環境や強い緊張を要する作業などによって悪化しやすい。
頻回に嘔吐を繰り返すと、脱水、体重減少など妊娠悪阻へと重症化するので注意が必要である。個人差も大きいので、臨機応変な対応が望ましい。」
「働く女性の心とからだの応援サイト 母性健康管理に関する用語辞典」
注目する必要があるのは、つわり症状には環境や精神的要素が作用するという点です。患者さんの命に関わる業務を行う看護師の仕事は、強い緊張感を伴うため、つわり症状が悪化する可能性もあります。
看護師が働く職場は人手不足の状態になっていることもあり、体調不良が理由でも急な休みは取りにくい傾向です。
つわりは妊娠ごく初期の4・5週から始まるため、上司に妊娠報告する前から体調が悪くなるケースもあるでしょう。その場合、「つわりでつらいけど何度も休めない」「休みたくても周囲からの目が気になる」と悩む看護師もいるかもしれません。
つわりが悪化すると、吐き気で食事や通勤に支障が出たり、仕事中にもトイレで吐いてしまったりする場合もあります。体調不良に加えて、つわり症状の影響で普段の働きを発揮できないことに悩む看護師もいるはず。看護業務は力仕事やにおいを伴うものの処理も行うため、つわり症状があるなかで働くつらさを感じやすいといえます。
つわりの症状には個人差があるといわれています。そのため、つわりで苦しんでいる気持ちを、出産を経験した先輩ナースにも理解されないというケースもあるかもしれません。妊娠による自分を取り巻く環境の変化や、職場の人間関係・マタハラによる精神的なつらさを感じる看護師もいます。
▼関連記事
看護師だから大丈夫は大間違い!?知識があるからこそ不安になることも。気になる「看護師の妊娠・出産エピソード」とは|レバウェル看護 お役立ち情報
ママナースが意外と冷たい!?妊娠中に職場で経験した苦労と感動
この項では、看護師が「つわり症状があるなかで仕事をするのがつらい」と悩んだときに試して欲しい対処法についてご紹介します。
雇用主は、母体保護のために必要な措置を取らなければならないと法律で義務付けられています。つわりで仕事をするのがつらい場合は、直属の上司にのみ早く報告して、業務を調整してもらいましょう。
業務負担の軽減や一時的な配置転換、仕事中のこまめな休憩など、自分の体調を考慮して上司へ相談してみてください。夜勤の免除やラッシュアワーを避ける時差通勤の許可も、看護師から申し出があった場合、雇用主は措置を講じる必要があると定められています。
つわり症状が酷い場合、産科の主治医に相談しましょう。吐き気に対する薬が処方される場合もあります。また、つわり症状が強くても食べやすいもの(飲みやすいもの)や体調が悪いときの休み方といった、セルフケアも医師に教わると良いかもしれません。
つわりで体調が悪いとはいえ、仕事を休み過ぎているのではないかと不安になる看護師もいるかもしれません。しかし、つわりが酷いときや体調不良を感じるときは、無理をせず仕事を休んだり、休憩を取るようにしましょう。
休みの日は、いったん仕事を忘れてメンタルケアをすることも大切です。ぬるめのお風呂にゆっくり入ったり、マタニティヨガやストレッチで身体をほぐしたりするのもリラックスに繋がります。
つわりが重症化すると、妊娠悪阻と呼ばれる状態になる可能性もあります。妊娠悪阻になると症状はより酷く長期化し、入院の措置が取られる場合も。つわり症状が悪化しており仕事をするのがつらい看護師は、重症化する前に負担が少ない部署への異動や休職を検討し、上司に相談してみてください。
▼関連記事
看護師さんがマタニティ期を健やかに過ごすために♪気になる夜勤対策を考える!
まず、妊娠中の身体の変化と妊娠発覚から出産後までの働き方について、以下の表で確認してみましょう。
|
妊娠週数 |
身体の状態や環境の変化 |
看護師の働き方 |
|
妊娠初期 (4~15週) |
・体調が急激に変化する時期 ・つわりを始め、お腹の張りや熱っぽさなどで体調不良を感じやすい ・見た目の変化はほぼない |
・上司に妊娠を報告 ・体調を考慮しながら働く ・通勤緩和措置や急な休みに対応してもらうことも必要 |
|
妊娠中期 (16~27週) |
・お腹がふくらんでくる ・つわりはおさまってくる ・貧血やむくみ、めまい |
・力仕事は避ける ・こまめな休憩を取る、残業や夜勤の制限措置を取ってもらう ・産休と育休の申請、準備 |
|
妊娠後期 (28~41週) |
・お腹が大きくなり、足元が見えにくくなる ・背中や腰の痛み、動悸、息切れ ・胸やけや頻尿 |
・出産予定日の6週間前から「産前休業」に入る(出産当日まで) ・状況に応じて安静が必要 |
|
出産・産後 |
・産褥期(産後6~8週間)は出産によるダメージが残る ・子宮の痛みやホルモンバランスの乱れによる心身の不調 ・子どもの夜泣きや夜間授乳による睡眠不足 |
・出産日の翌日から「産後休業」に入る(8週間) ・産休明けから、子が1歳になるまでの育児休業を取得できる(男性も取得可能) |
|
育休明け |
・子どもが幼いうちは、発熱や体調不良を起こすことが頻繁にある ・保育所の送り迎えが必要 |
・子が3歳になるまでは、時短勤務が申請可能、夜勤や所定外労働は制限される ・子の看護休暇(1年につき5日まで)を取得できる |
参考:厚生労働省「妊娠・出産期に知っておくべき法律や制度」
妊娠すると身体の変化に伴い、看護師の働き方も変化します。出産予定日の6週間前から産休に入り、育休が明けるまでは休業期間です。余裕を持って育休期間のことや出産後の働き方について上司に相談し、業務の引継ぎも行いましょう。
この項では、看護師が妊娠について職場へ報告する際のポイントを解説します。ポイントは「上司にはなるべく早めに妊娠報告をすること」「母性健康管理指導事項連絡カードを活用すること」です。
妊娠が分かったら、上司には妊娠8週目ごろまでに報告するようにしましょう。スタッフが妊娠すると、職場の管理者は業務の調整や体制変更を行うためできるだけ早い方が良いと考えられます。妊娠8週目になるまでには、胎児の心拍が確認できてごく不安定な時期を脱したことが分かるでしょう。
職場全体には、いわゆる安定期に入る妊娠16週目以降に伝えるのが無難かもしれません。上司に報告する際に、職場全体に伝える時期や範囲も相談するのがおすすめです。
▼関連記事
看護師の妊娠はいつ職場へ報告すべき?出産に関する制度や復帰後の働き方も
母性健康管理指導事項連絡カードとは、産前・産後の女性労働者の負担軽減に関する主治医の指導事項を、事業者へ的確に伝えるために活用できるものです。労働者本人が主治医にカードの記載を依頼し、職場へカードの提出とともに措置を申し出ます。
妊娠報告後は、こちらカードを活用するとより効率的に措置を申し出られるでしょう。報告するタイミングによっては、そのときに渡すこともできます。
▼関連記事
看護師が子供を授かった場合、どのくらいまでの期間なら働ける?
この項では、妊娠中の看護師に注意して欲しい4つのポイントについて解説します。看護師は心身ともにハードな仕事です。自身の体調や子どもへの影響を考慮し、無理のないようにしましょう。
看護師の業務には、患者さんの移乗や体位変換といった力仕事もあります。妊娠中はお腹の張りや体の痛み、めまいも起こりやすいため、安全を確保できないと思ったらほかの職員に代わってもらうようにしましょう。その際は、代わってくれたスタッフの事務作業を多めに負担するといった、バランスも大切です。
妊娠中の看護師は、自分の体調を充分に考慮しながら働きましょう。妊婦の心身の状態は、不安定です。仕事中に強い吐き気やめまい、お腹の張りをはじめとした不調を感じるときは、一度休憩させてもらうか、早退することも検討してください。
看護師が妊娠中の感染症対策は、いつも以上に気をつかって行いましょう。感染することで胎児への影響が懸念される病気も。また、薬のなかには妊婦が服用できないものもあるため、注意が必要です。
看護師は、育休明けの働き方についても早いうちから考えておくのがおすすめです。子どもが生まれて育児をするようになれば、今までの生活から大きく変化します。
乳幼児を育児しながら仕事をすることを具体的にイメージし、パートナーや家族ともよく話し合っておきましょう。方針が決まったら上司に相談し、復帰後はどの部署で働くのか、時短勤務や夜勤免除は必要なのかなど詳しく決めていきます。
▼関連記事
妊娠中の看護師さんが働くにあたって注意すべきこと
妊娠した看護師は退職しない方が良い!復帰や転職のポイントをご紹介
つわりがある程度落ち着き心身に余裕が出たら、妊娠に関わる制度もチェックしてみてください。職場に対応してもらえる母体保護のための措置や産休・育休制度のほか、出産、育児に関わる手当や給付金制度もあります。
特に、育産休中の収入の有無は不確定なため、給付金の申請についてはよく確認しておくのがおすすめです。それぞれ、申請先や給付条件、申請期限が異なります。
▼関連記事
看護師の産休ってどんな制度?取得方法や手当、育休の詳細も解説
ここでは、つわりに悩む妊娠中の看護師のよくある質問について、Q&A形式でお答えします。
つわりで身体がつらいときは無理をせず休みましょう。つわり症状が悪化すると、嘔吐が激しくなり、長期化する場合も。自分の身体や胎児を守るためということはもちろん、万全ではない状態で看護をするとミスにも繋がります。周囲の職員のサポートに感謝をし、体調が悪いときはしっかり休むのも大切です。
妊娠ごく初期のころからつわりが酷い人は、胎児の心拍確認前に上司へ報告し、早めに業務負担の軽減する措置を取ってもらう必要があるかもしれません。その際も、現在の妊娠週数や主治医の診断による今の状態や指導事項、自分の体調を伝え、これからの働き方について相談しましょう。
妊娠中のつわりは、環境や精神的要素によって悪化することもあります。看護師が担うのは、体力的な負担や精神的なプレッシャーがかかりやすい仕事です。体調が悪くても、なかなか休憩や休みが取れない環境で働いている場合もあり、つわり中の仕事がつらいと感じやすいといえます。つわりで悩んでいる看護師は、早めに上司へ報告して負担軽減の措置を講じてもらったり、主治医に相談しましょう。我慢して無理を続けると、長期化・重症化の恐れがあるため、つわりがつらかったり、体調が悪いときはなるべく休むことが大切です。
「妊娠中の働き方が不安」「誰かに相談したい」とお悩みの看護師さんは、「レバウェル看護」に相談してみませんか?「レバウェル看護」は、看護師に特化した転職支援サービスです。
キャリアアドバイザーが、あなたの現在の状況や悩みをヒアリングし、今できる対策や体調を考慮した働き方のアドバイスをいたします。まずは働き方の相談がしたい、求人の紹介はいらないという方も、相談のみの利用が可能です。
「看護師としての将来も見据えた働き方を相談したい」方は、「レバウェル看護」にぜひご相談ください。
記事の制作について
「レバウェル看護 看護師さん向けお役立ち情報」では、
記事の制作・公開にあたってのポリシーを定めています。
詳細は下記よりご確認いただけます。
キャリア
働く場所
選考対策
資格
その他
読みもの
連載