仕事
2023.12.21
転職したものの、新しい担当業務やルール、人間関係などに戸惑い、「前の職場の方が良かった」と後悔することもあるでしょう。転職に後悔したときは、上司や先輩に悩みを相談したり、業務内容やルールを覚えることに集中したりするのがおすすめです。慣れると働きやすく感じる可能性もあるので、再度転職するかどうかは慎重に考えましょう。
この記事では、看護師が転職したことを後悔する理由や対処法を解説。転職を成功させるコツや注意点、自分に合う職場を見つけた体験談なども紹介しているので、参考にしてみてください。
看護師が「転職に失敗した」と感じる理由はさまざまです。この項では、後悔する理由としてよくあるものを挙げたので、見ていきましょう。
看護師が転職して悩む理由の一つが、人間関係です。入職前に人間関係や自分とほかのスタッフとの相性を細かく把握するのは難しいため、働き始めて関係づくりに悩む看護師は少なくありません。特に、上司や先輩とコミュニケーションを取りづらかったり、看護師同士の陰口が多かったりすると、人間関係に疲れてしまって転職を後悔するようです。
職場の雰囲気に馴染めずに後悔する看護師もいます。最低限の会話しかなくスタッフ同士が必要以上に関わらない職場もあれば、スタッフ間の距離が近く、密な関係性を大事にする職場もあるでしょう。また、のんびりとした雰囲気の病院もあれば、常に慌ただしい病院もあります。自分の性格や価値観に合わない職場に転職すると、精神的なストレスを感じて後悔するようです。
転職後に給与が下がってしまい、後悔する看護師もいます。たとえば、基本給の高さに魅力を感じて転職を決めたものの、手当やボーナスの金額が低く、年収が前職よりもダウンしてしまったといったケースです。また、給与形態をよく確認しないまま転職したところ、想像以上に給与が低くてがっかりしたという看護師も。「前の職場にいた方が稼げたのに」と後悔するようです。
十分な教育を受けられないまま、不安な状態で仕事を進めなければならず、転職を後悔する看護師もいます。特にギリギリの人数で現場を回している職場では、新人スタッフに業務を教える余裕がありません。周りの先輩に分からないことを聞いても、忙しくて丁寧に教えてもらえないと悩む看護師は多いようです。
また、新設されたばかりの病院やクリニックは、マニュアルや制度が整備されていないというケースもあります。それぞれの看護師の考えで業務を進めているために、現場で混乱やトラブルが起きやすく、転職したことを後悔してしまうようです。
医療やケアの質が低いことも転職後の後悔につながる理由の一つです。設備が古く最新の医療技術に対応していなかったり、十分な経験やスキルがあるスタッフが少なかったりすると、患者さんに適切な医療を提供できないことがあります。また、医師や周りの看護師が採算や効率ばかり重視し、患者さんとしっかり向き合おうとしない様子を見ると、自分の思いとのギャップを感じて後悔することも。高度な医療や質の高い看護に携わっていた看護師が、このような職場に転職するとストレスを感じるようです。
求人票の内容と業務の実態が異なり、入職後に後悔する看護師もいます。求人票の業務内容には記載されていなかったのに、実際に働いてみると看護業務以外の雑用が多く、想像以上に多忙だったというケースがその例です。また、「オンコール対応は免除可能」と記載されていたのに、実際に入職してみると人員不足で担当せざるを得ない状況だったというケースも。
確認不足で勤務条件の詳細を見落としていた場合や、面接で聞いていた話と実際の業務が違う場合もあるようです。転職したのに希望していた働き方が叶わなかった看護師は、後悔してしまうこともあるでしょう。
看護師が不足しており、1人あたりの業務量が多い職場や、緊急対応が発生しやすい病棟は残業も多い傾向にあります。通勤時間を減らすために家から近い職場を選んだのに、残業が多くて反対に自分の時間がなくなったと後悔する看護師もいるようです。また、求人情報には「残業ほとんどなし」と書かれていたのに、実際には残業が状態化しており、家事・育児と仕事の両立が大変になったという看護師もいます。
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転職先が自分に合わず、再度転職をするべきか迷っている看護師さんもいるでしょう。ここでは、転職して後悔したときの対処法を紹介するので参考にしてみてください。
「前の職場を辞めなければ良かった」と思ってしまうときは、新しい職場と前の職場を比較するのをやめ、業務内容やルールを覚えることに集中してみましょう。仕事に慣れるとともに業務の手順・ルールの根拠が分かってきたり、やりがいが見つかったりする可能性もあります。
また、良好な人間関係を築いていくには時間も必要です。周囲の医師や看護師との付き合いがうまくいかないと感じている方は、仕事を覚えて信頼を得れば人間関係が改善することもあるでしょう。
仕事や人間関係の悩みがあるときは、上司や先輩看護師に自分から声を掛けてみましょう。相談をきっかけにお互いに対する理解が深まり、配慮やサポートをしてもらえるようになるかもしれません。
新しい職場の人に話しにくい悩みの場合は、別の職場の看護師に相談してみるのも一つの方法です。つらい気持ちを聞いてもらうだけでも少し楽になれることがあります。客観的な立場から意見をもらえるときもあるでしょう。
上司や先輩に相談しても悩みが解決しない場合や、半年以上勤務して業務に慣れても自分に合わないと感じる場合は、再度転職を検討する手もあります。ただし、入職前の説明と職場の実態が明らかに違ったり、ハラスメントや違法な行為があったりするときは、すぐに転職先を探した方が良いでしょう。
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「次こそ後悔のない転職をしたい」と考えている看護師さんは、今の職場の悩みを整理したうえで転職活動の方針を立ててみましょう。以下では、転職活動で気をつけるべき点を悩み別に解説していきます。
人間関係の悩みが原因で転職を考えている方は、求人票だけで応募先を判断せず、職場見学を申し込んで雰囲気を確かめてみましょう。職場見学の際にはできる限り上司や教育担当者と話し、人柄を知っておくと安心です。看護師の配置人数や年齢層、勤続年数などを質問すると、職場の人間関係を知る手掛かりになります。
また、口コミサイトには以前在籍していた人や現在働いている人の声が投稿されているので、チェックしておくと参考になります。短時間の見学や面接では知り得ない情報にも触れられるでしょう。ただし、一人ひとり置かれた状況や感じ方が違うので、すべてを鵜呑みにしないことも大切です。
給与や手当、教育体制などが不十分で転職を考えている方は、自分の希望が叶う条件を明確にしておきましょう。ただし、待遇だけで転職先を選ぶと、後悔する可能性があります。たとえば、高いスキルを持つ看護師が必要な職場は、給与や手当を高く設定している場合があります。短期離職者の多い職場では、人材不足ですぐに看護師がほしいために高給与を提示していることも。待遇に惹かれてよく考えずに入職すると、大きなプレッシャーを感じたり、職場環境が悪かったりする可能性もあります。
無理なく働ける職場を見つけるには、仕事内容や勤務シフト、休日などの条件も検討すると良いでしょう。すべての希望条件に当てはまる職場はなかなか見つからない場合もあるので、優先順位を決めておくことも大事です。
仕事内容が合わないと感じた方は、転職先で何を実現したいか改めて考えてみましょう。今まで経験した仕事や看護師になったときの目標を振り返り、自分が力を発揮できる分野や目指す看護について整理しておくことも有効です。転職の目的が曖昧なままだと給与や福利厚生で判断してしまいがちになり、自分に合った仕事にたどり着けない可能性もあります。
現在の職場が忙し過ぎて残業が多い、休みが取れない、患者さんと十分に関われないといった悩みがある方は、応募先の業務の詳細を確認してみましょう。たとえば、次のような点を質問すると職場の忙しさがイメージしやすくなります。
職場見学に行って看護師の動きや表情を観察してみると、ゆとりがありそうな職場かどうか推測できるかもしれません。
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ここでは、看護師が転職を成功させるためのコツを紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
転職後に後悔しないためには、自己分析を行い、退職して職場を変える理由と職場選びの条件を明確にするのが大切です。まずは転職先で実現したいこと、大事にしたいこと、自分が望む看護師としてのキャリアなどを書き出してみましょう。今叶えたいことだけでなく、中長期的な視点でどうなりたいかを考えるのも重要です。自分自身の考えを明確にしたら、その希望に沿って条件を設定していきましょう。絶対に譲れない条件、妥協できる条件を定め、優先順位をつけたうえで職場を探すと、自分に合った転職先が見つかりやすくなります。
病院・施設の公式Webサイトや職場見学、知り合いの看護師の話などから、応募先の情報を幅広く集めることも重要です。公式Webサイトでは以下の内容を確認すると、職場の特徴を知るうえで参考になります。
なお、職場見学に行くときは通勤ルートで移動し、通いやすいかどうか確認することも大切です。通勤時間帯の状況も確かめておくと、「通勤が意外に大変だった」という後悔をせずに済みます。見学の際は以下の点をチェックすると良いでしょう。
挨拶が飛び交っていたり、にこやかな表情が見られたりする職場は、人間関係も良好と考えられます。反対に看護師の表情が暗い・よそよそしい空気の職場は、良い関係性を築けていない可能性もあるでしょう。また、ナースコールが鳴り続けていたり、掃除や整理整頓が十分でなかったりする場合は、人手不足で慌ただしい職場だと考えられます。実際にその現場で働くことをイメージして、自分が気持ちよく働けるかどうかを見極めましょう。
志望先の職場で働く知り合いがいる場合は、人間関係や労働環境について詳しく聞いておくのがおすすめです。その職場が自分に合うかどうか、面接で気をつけるべきポイントなどについて、アドバイスをもらえる可能性もあります。
病院以外で働いたことがない看護師さんは、視野を広げて自分に合った働き方ができる施設形態を考えてみるのも良いでしょう。レバウェル看護の職場適職診断を利用すると、自分に合った施設形態についてヒントを得られるかもしれません。
看護師が活躍できる場は、介護施設や訪問看護ステーション、企業などにも広がっています。詳しくは「病院以外へ転職したい看護師におすすめの職場18選」をご覧ください。
「どうしてもここで働きたい」という志望先がある場合を除き、同時に複数の求人に応募することも転職成功の秘訣です。複数の職場の選考を受けて比較すると各々の特徴がよく分かり、より自分に合った職場を選びやすくなるでしょう。
面接を受ける前に、応募先が求める人物像に合わせてアピールする内容を準備しておくことがポイントです。たとえば、患者さんに寄り添ったケアを重視する施設の面接では、患者さんの気持ちを尊重した看護ができたエピソードを伝えることが考えられます。向上心のある看護師が活躍している病院の面接では、自分の今後の目標を話したり、研修や勉強会について質問したりすると好印象です。自己分析の結果や応募先について集めた情報をもとに、自分が応募先でどのように力を発揮できるのか考えておきましょう。
今の仕事が忙しく、応募先に関する情報収集や面接対策をする余裕がないという看護師さんもいるでしょう。転職サイトや転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談すると、希望条件に合った求人を紹介してもらえるので効率的に転職先を探せます。また、応募書類や面接対策についても無料でアドバイスしてもらえるのが一般的です。
看護師に特化した転職エージェント「レバウェル看護」では、非公開求人を含む10万件以上の求人を扱っており、転職先の選択肢を増やせます。また、応募先の内部情報をお伝えしたり、職場見学を設定したりすることも可能なのでぜひご利用ください。
仕事内容や就業場所・時間、賃金などの労働条件は、「労働条件通知書」に記載され、書面で交付されます。入職前に目を通して求人票の内容や、面接で確認した条件と相違がないかをチェックしましょう。
万が一、労働条件通知書をもらえない場合は、職場に発行を依頼します。労働基準法第15条には、「使用者は労働者と契約を締結する際に、労働条件を明示すること」と定められているため、看護師には労働条件通知書を確認する権利があります。条件について自分の認識と異なる点があれば担当者に質問して、転職後に後悔しないよう認識を合わせておきましょう。
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【看護師の資格でできる仕事厳選12選】病院以外・看護師以外の職場を紹介
以下では、レバウェル看護の相談事例の中から、転職を後悔した看護師さんが再度転職した体験談を紹介します。自分に合う職場を見つけたい方は参考にしてみてください。
内科・整形外科の急性期病棟で3年間経験を積んだHさんは、循環器の勉強をするために大規模医療センターへ転職しました。しかし、看護観のギャップや病棟主任からのいじめがあり、4ヶ月で退職。転職活動を行いながらも、適応障害と診断されたことや、一度循環器を諦めたことに引け目を感じていました。
キャリアアドバイザーは、徐々に循環器に慣れていけて、適応障害のことも受け入れてくれる病院をHさんに提案。面接の際には「諦めたことではなく、諦められなかったことを話してください」とアドバイスしました。
Hさんは面接で「適応障害になったけれど、それでも循環器で働きたい気持ちを諦められなかった」と熱意を伝え、内定が決定。のちに看護師長から「勉強への意欲が強くて良い人を紹介してもらった」とのお言葉がありました。
>>体験談の詳細「前職を数ヶ月で退職…本当の退職理由を伝えることで見つけた希望の職場」
急性期病棟に10年以上勤めていたTさんは、残業や研修が多くて疲労が溜まったため、しばらく休養してから有料老人ホームに転職しました。そのホームは待遇が良く残業も少なめでしたが、介護業務が多くて体に大きな負担が掛かり、腰痛が悪化。介護職員にもつらく当たられるようになり、すぐに退職してしまいました。
Tさんはキャリアアドバイザーとともに、自分に合った仕事内容を改めて検討。看護スキルを活かせて体力的な負担が少ないセンターに入職したところ、余暇を楽しみながら無理なく働けるようになりました。
>>体験談の詳細「無理なく働ける職場を探したい!転職失敗で気付いた本当にやりたい仕事とは」
Kさんは民間の総合病院で10年経験を積み、新卒のときに内定をもらえなかった憧れの公立病院に転職しました。ところが、その公立病院では毎日2時間以上のサービス残業があり、休日も勉強会への参加が必要。忙しい毎日で疲れが蓄積したKさんは、持病が再発して1年で退職することになりました。
イメージだけで転職先を決めたことを反省したTさんは、キャリアアドバイザーとともに希望条件を確認して幅広く転職先を検討。有名な民間病院でTさんの経験が高く評価され、日勤のみの常勤という条件で公立病院のときよりも高年収を実現できました。
>>体験談の詳細「憧れの職場へ転職したのにイメージと違った…自分に合う職場の選び方とは?」
ここでは、転職を後悔している看護師さんからよく寄せられる質問に回答しています。
短期離職を繰り返している看護師は、採用担当者に「またすぐに退職してしまうかも」と心配される可能性があります。ただし、転職の回数よりも転職の理由や勤続年数が重視されることが多いでしょう。不利になりやすいケースとなりにくいケースについて詳しく知りたい方は、「看護師は転職回数が多いと不利?退職理由別の面接対策や成功のコツを解説」をご参照ください。
ゆるく働きたい看護師には、人員配置にゆとりがある職場や精神的・身体的負担が少ない職場、残業が少ない職場などがおすすめです。たとえば、回復期病棟や療養型病院、皮膚科や眼科のクリニックなどは緊急対応が少ないので気持ちに余裕が持てるかもしれません。企業や献血ルーム、保育園といった医療機関以外の職場に目を向けるのも方法の一つです。詳細は「のんびり働きたい看護師向け!おすすめの職場や病院以外の仕事を紹介」をご確認ください。
今まで携わった仕事でやりがいを感じたことや、転職したいと思った理由を振り返ると、今後取り組みたいことが見えてくるかもしれません。看護観や人間関係、働き方など、仕事内容以外の条件から転職先を考えてみるのも一つの方法です。経験が少ない看護師の場合は、教育体制が充実していて基本的な看護スキルが身につく職場を選び、働きながら目標を見つけるのも良いでしょう。
看護師が転職を後悔する理由は、人間関係の悩みや給与・教育体制・残業に対する不満、求人票と実態の乖離などさまざまです。
転職して間もない方は、新しい職場と前の職場と比べるのをやめ、業務に慣れることに集中してみましょう。上司や先輩看護師に相談するのも有効です。
それでも職場が自分に合わないと感じるときは、再度転職する方法もあります。転職によって叶えたいことや、そのために必要な条件を明確にしておきましょう。また、複数の手段で応募先に関する情報収集を行い、提示された労働条件をしっかり確認したうえで転職することが大切です。
とはいえ、入職するまで分からないことも多いので、再度転職しても思い描いたとおりに働けるかどうか不安に感じる看護師さんもいるでしょう。
入職前にできる限り不安を解決しておきたい方は、「レバウェル看護」を利用してみませんか。「レバウェル看護」では、職場訪問や入職後アンケートを実施し、職場の内部情報も把握しています。設備が充実しているか、建物がきれいかどうか、どんなスタッフが多いのかなど、働く環境を詳しくお伝えすることが可能です。また、看護の仕事や業界に詳しいキャリアアドバイザーが、看護師さんの経歴や目標、生活スタイルなどをヒアリングしたうえで求人をご提案するので、ミスマッチが起きにくくなります。もし応募先に質問しにくいことがあれば、キャリアアドバイザーが代わりに確認することもできますよ。
転職するかどうかまだ迷っている看護師さんも、気軽にお問い合わせください。現職の悩みや退職・転職のタイミングについてもご相談を承ります。
「レバウェル看護」を使うと、より詳しく話を聞くことができます。どんな転職先があるのか等も事前に知ることができます。
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