
看護師として働いている人や、現在目指している人の中には「いつか海外で働いてみたい」と願望を持つ人もいるでしょう。とはいえ、具体的な道のりや現地での生活はなかなかイメージしづらいもの。そこで本記事では、海外で活動する「国際看護師」に焦点を当て、なり方やメリット、準備事項などを詳しく解説します。向いている人の特徴も紹介しますので、日本と異なる価値観に触れたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
国際看護師とは、資格名ではなく「海外で活動する看護師」のことを指します。先進国や途上国で働く看護師の通称と捉えると良いでしょう。海外で看護師として活動するためには、渡航方法や手続き、日本の看護師免許の有効性を入念に調べる必要があります。また、コミュニケーションを取るための語学力も重要です。
国際看護師には、主に「国際ボランティアとして活動する」「海外で看護師として働く」という2通りの選択肢があります。現地で担う役割はそれぞれ異なるため、特徴をしっかりと掴むことが大切です。
「まずは短い期間から海外の医療現場を経験したい」という場合は、国際ボランティアが有効な手段といえます。団体に所属し派遣されることで、途上国を中心に活動することが可能です。ボランティアのため高い給料は得られませんが、追加で資格を取得する必要がない分、気軽に一歩を踏み出しやすいという特徴があります。活動期間も数か月〜2年など幅があるため、自分に合ったプログラムを見つけやすいでしょう。
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「看護師として海外で収入を得ながら長期的に働きたい」という場合は、海外で資格を取得する必要があります。取得条件や方法は国によって異なりますが、基本的に日本の看護師免許をそのまま使用することはできません。海外の免許取得を目指す人の中には、現地の学校に通う人もいます。渡航先を決める際は勤務条件を念入りに確認するようにしてください。
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ここでは、国際ボランティアを行う代表的な3団体を紹介します。各団体の最新情報や詳しい応募条件は公式サイトでチェックするようにしてください。
JICA海外協力隊は、JICA(独立行政法人国際協力機構)が派遣する国際協力活動です。日本政府のODA(政府開発援助)の一環として、開発途上地域の開発や課題解決に貢献しています。99カ国と派遣提携をしており、費用は受入国政府あるいは配属先やJICAによって負担されます。短期派遣もありますが、派遣期間は原則2年間です。
JICA海外協力隊には、180種類以上の職種があり、看護師は保健・医療の分野に該当します。主な活動内容は、現地の人々と一緒に生活しながら医療ケアやサポートを行うこと。近年はアジア諸国での看護師育成にも携わっているため、現地の看護学生に指導を行うこともあるかもしれません。
国境なき医師団は、フランスで設立された民間かつ非営利で医療援助を行う団体です。活動原則は「独立・中立・公平」であり、証言活動も使命の一つとされています。緊急性の高い医療ニーズに応えることを目的としており、その活動を支えているのは、個人を中心とした民間からの寄付金です。海外派遣スタッフとして活動する看護師の主な仕事内容は、看護チームのマネジメントであり、派遣期間の目安は6か月〜1年間となります。
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ジャパンハートは、日本発祥のNPO法人で「医療の届かないところに医療を届ける」を理念に無償の医療活動を行う団体です。渡航方法は短期と長期の2つがあり、長期で活動する場合は、ジャパンハートメディカルチームに所属することになります。基本的にはカンボジア、ミャンマー、ラオスのいずれかが活動拠点となり、派遣期間は1年間です。
なお、短期で現地を体験したいという人には、エイチ・アイ・エススタディツアーを利用して、5日間の短期ツアーに参加するという方法も用意されています。
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ここでは、国内ですでに看護師免許を取得しており、今後海外で働くことを検討している人に向けて、資格取得の方法を紹介します。いくつかの国を抜粋していますので、最新情報は直接問い合わせるようにしてください。なお、海外で看護師免許を取得するのはハードルが高いのが現状です。基本的に数年はかかる上、資金も必要なため、覚悟しておきましょう。
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アメリカで国際看護師として働く場合は、CGFNS (Commission on Graduates of Foreign Nursing Schools) の試験に認定後、さらにNCLEX-RNの試験に合格することで看護学校に通う必要がなくなります。アメリカには50の州があり、各州によって法律が異なることから、アメリカで働く場合は州ごとの基準をよく確認することが大切です。
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カナダで国際看護師として働く場合は、NNASの審査に合格する必要があります。なお、英語やフランス語以外が母語の場合は、IELTSかCELBANも受ける必要があるため注意が必要です。NNASの審査に合格した後は、希望の州の審査を受けます。アメリカと同様に、各州によって評価内容は異なり、中には大学卒業が必須条件となっている場合もあります。審査に合格した後は、NCLEX-RNを受験する流れです。
イギリスで国際看護師として働く場合は、国家資格の受験がない代わりに、NMCへの登録が必要となります。学士号を有していることや、英語力の基準を満たしていることが条件です。なお、NMCへの登録後は、3年ごとの更新も求められます。
オーストラリアで国際看護師として働く場合は、学士号を有しているか否かでルートが変わります。学士号を有している場合は、AHPRA(Australian Health Practitioner Regulation Agency)で手続きをし、OBAの審査を受ける流れになります。学士号を有していない場合は、コンバージョン・コースへ通い資格を取得する必要があります。
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韓国で国際看護師として働く場合は、現地での国家資格取得が必要です。書類審査の後に、韓国語で実施される国家試験を受験します。判断基準は、大学を卒業しているか、もしくは韓国のカリキュラムに相応しいかどうかです。韓国の医療現場は分業が進んでいるため、医療業務に集中したい人には向いているかもしれません。
厳しい条件をクリアして、晴れて国際看護師になった暁には、どのようなメリットを享受できるのでしょう。下記にて代表的な3つのメリットを紹介しますので、自身のキャリアプランと照らし合わせてみてください。
海外の看護方法は日本よりも細分化されている傾向にあります。自分の業務に専念できるため、専門性を追求しやすいといえるでしょう。また、日本では医師の指示を受けて看護業務にあたりますが、海外では自主的に看護業務を行うのが基本です。そのため、お互いの職種を認め合いながら、対等の立場で意見交換をできるという特徴があります。
海外で国際看護師として働くと、日本よりも高水準の年収を得られる可能性があります。中には、日本の1.5倍前後の収入になる場合もあるようです。ただし、その分物価が高かったり、国によっては年収が下がったりする場合もあるため、生活水準も考慮することが大切です。なお、職業情報提供サイト(日本版O-NET)「看護師」によると、日本で働く看護師の平均年収は約508万円となっています。
海外で国際看護師として働いていると、家庭の事情やご両親の介護、自身の健康面など、何らかの事情で一時帰国または本帰国をする場合があるかもしれません。その際、海外での勤務経験があれば志望理由を考える際のアピール材料になるでしょう。外国人患者さんの受け入れを多く行うエリアの病院や、外国人看護師を受け入れている病院、また一般企業などの求人も選択肢に入りやすくなるといえます。
国際看護師を目指す際は「念入りな情報収集・計画」と「医療英語などの語学力」が必要不可欠です。見切り発車をすると、時間が無駄になったり、トラブルを招いたりする可能性もあるため、十分な準備を行った上で実行に移しましょう。
前述のとおり、国際看護師として働く要件は、国や州によって異なります。そのため、まずは行き先を絞って手続きの流れを確認するのはもとより、実際に収入を得られるまでにかかる費用を試算しておくことも大切です。情報を収集する際は、各国の機関に問い合わせるのに加えて、SNSで経験者を探すとよりリアルな声を聞けるでしょう。
なお、公益社団法人日本看護協会では、看護師免許を有しており、海外の大学院で保健看護を専攻している、もしくは入学許可がある人を対象に「国際看護師協会東京大会記念奨学金」を設けています。今後の方向性にマッチする人は、調べてみると良いかもしれません。
国際ボランティアの場合は、基準が特に決まっていなかったり、日常会話程度のスコアがあれば応募できたりと、語学力に自信がない場合でも参加することは可能ですが、実際に国際看護師として現地で働くとなると、高い英語力が求められます。難易度が高い医療英語を身に付けるのはもとより、その国特有の訛りも理解する必要もあるでしょう。最短で英語力を身に付けたい場合は、希望する国の語学学校で学ぶのも一つの手です。
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どのくらいの語学力で海外留学できる?
国際看護師に向いている人の特徴としては、以下の項目が挙げられます。現地の人々と活発にコミュニケーションを取り、信頼関係を築くことが大切です。
なお「自分が国際看護師に向いているか判断できない」という場合は、海外研修制度がある国内の医療機関に勤務して、国際的な感覚を養うことからスタートするのも良いでしょう。基本的に医療機関側が費用を負担してくれる傾向にあるため「海外で働くイメージを持ちづらい」「現地の看護観や医療事情を確認したい」という方は、積極的に活用してみると良いかもしれません。
ここでは、海外で働いた経験がある看護師の転職体験談を紹介します。「帰国後の転職を考えると、不安に駆られて行動に移せない」という人は、何らかのヒントが得られるかもしれません。
「看護師になりたい」「海外で暮らしたい」という2つの夢を持っていたUさんは、34歳で海外留学をし、カナダの看護大学で看護師免許を取得しました。その後、40代を前に帰国し、求職活動を行うことに。しかし、看護師経験が浅いUさんは、大規模な病院で働きたいという希望条件をなかなか叶えられずにいました。
相談を受けたキャリアアドバイザーは、応募先を複数探し、県立並に教育体制が整った一般病院をご紹介することに。その結果、謙虚な人柄が評価され、無事内定を獲得することができました。Uさんのやる気や行動力が、道を切り開いたのです。
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日本の看護経験がなく転職活動が難航…選考対策と前向きな姿勢で掴んだ内定
日本国際看護師(NiNA)とは、国内の医療機関で定住外国人や訪日外国人へ適切に対応・調整できる看護師のことを指します。文化・慣習への理解を深め、一定の語学力を身に付けることで、国際医療の推進に貢献できる点が特徴です。
昨今の日本では、外国人観光客・労働者の増加に伴い、外国人患者さんが安心して医療を受けられる医療体制の整備が求められています。そのため、国際的視野を持つ日本国際看護師には、そのような外国人患者さんと日本の医療機関の調整役としての活躍が期待されます。
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日本国際看護師(NiNA)になるための認定基準は以下のとおりです。下記の内容をすべて満たした上で、5年ごとの認定更新も必要となります。
ここでは、国際看護師に関してよくある質問を紹介します。
国際看護師には「国際ボランティアとして活動する」「海外で看護師として働く」という2通りの選択肢があります。前者の場合、学歴は問われませんが、後者の場合は国によって学位が求められるため、状況次第では現地の大学に通う必要もあるでしょう。
国際看護師協会 (ICN)とは、各国の看護師協会の連合体です。政府・非政府機関、各種財団などと同盟を結んでおり、世界の看護の発展に寄与しています。国際看護師協会が定めている看護の定義については「知っておこう!そうだったのか、国際看護師協会が決める『看護の定義』」をご覧ください。
国際看護師の日は、フローレンス・ナイチンゲールの誕生日である「5月12日」です。看護師の社会貢献を称えるため、国際看護師協会によって1965年に定められました。日本でも「看護の日」という名称で、1990年に制定されています。
国際ボランティアとして活動する場合は、短期のプロジェクトも選べるため、語学力に自信がない場合でも挑戦しやすい傾向にあります。その一方で、海外で国際看護師として働く場合は、高い英語力が求められるため、難しく感じることもあるでしょう。看護業務自体は細分化されているため、自分の業務に専念することが可能です。
国際看護師とは、国際ボランティアを行う団体に所属したり、海外に渡航したりして「海外で活動する看護師」のことを指します。国際看護師になると「海外ならではの看護方法を習得できる」「働く国によっては高い年収が期待できる」といったメリットがあるほか、帰国後も外国人患者さんの対応に貢献できるため、経験を活かすことが可能です。ただし、海外で看護師免許を取得するのは難易度が高いため、念入りな情報収集や計画を行った上で、検討するようにしてください。
なお「実際に国際看護師として働いている人の声を聞きたい」「国際看護師以外で自分に合う働き方が知りたい」という方は、レバウェル看護に相談してみませんか?レバウェル看護は看護師専門の転職支援サービス。国際看護師の内部事情をはじめ、看護師の働き方に関するさまざまな知識を得られるため、疑問や不安の解消にも繋がります。サービスはすべて無料ですので、今後の方向性を迷っているという方も、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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