仕事
2023.1.24
看護師として忙しく働いていると、「このままでいいの?」と不安を感じる方は多いようです。キャリアプランがないと、今の仕事に不安や疑問を感じてしまうことも。看護師としてやりがいを持ってキャリアアップするには、キャリアプランを立てると良いでしょう。この記事では、看護師のキャリアプランの立て方を解説。さらに、看護師のキャリアプランの例を紹介します。キャリアプランがない看護師さんは、参考にしてみてください。
キャリアプランとは、目標とする経歴を実現するために計画を立てることをいいます。将来の目標を明確にすることで、実現に向けて具体的な行動ができるようになるでしょう。ここでは、看護師がキャリアプランを立てるメリットを紹介します。
キャリアプランを立てて長期的な目標が明確になると、キャリアプランがないときと比較して、より意欲的に業務に取り組めるようになるでしょう。
毎日業務に追われていると、看護が作業になってしまっていると感じてしまうこともあるかもしれません。自分自身のキャリアプランに向き合うことは、看護師としての目標や目的、看護師を目指したきっかけを見つめなおすことにもなります。キャリアプランを立てると同時に、改めて目標や目的を明確にできると、やりがいをもって業務に取り組めるようになるでしょう。
将来目指したい看護師像を明確にすると、実現に必要な資格や知識、スキルを把握できます。加えて、キャリアプランを意識して実現に向けた行動をすることで、看護師スキルの向上に繋がるはず。
キャリアプランを意識していないと、「スキルアップのために何をしたら良いのか分からない」といった状況に陥る可能性があります。スキルアップしようと焦って、手あたり次第研修を受けたり資格を取得したりしたことがある方もいるかもしれません。しかし、キャリアプランがあれば、資格や研修といった必要なものの取捨選択ができるようになり、効率的にスキルアップしていけるでしょう。
キャリアプランを実現するためにスキルアップすることは、給料アップにも繋がります。スキルや知識を身につけたり資格を取得することで、昇進・昇給に繋がり給料が上がるでしょう。また、職場によっては資格手当が支給されることもあります。「給料を上げたい」という看護師さんにも、キャリアプランを立てることは効果的です。
キャリアプランがあると、面接時の質問に対して具体的な説明ができ、採用担当者に好印象を与えられるでしょう。さらに、キャリアプランに沿ったスキルや経験、資格があれば、より効果的に自分をアピールできます。もし、家庭の事情などでブランクができても、再就職時にも活かせるはずです。
そのほか、将来の看護師像が明確であれば、自分に合った求人の選定がしやすくなり、転職後のミスマッチが起こりにくくなるというメリットもあります。
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キャリアプランがない場合は、漠然とした将来のことを考えるのではなく、過去を振り返ることから始めることがポイントです。ここでは、看護師がキャリアプランがない看護師が、目標を見つけるための方法を説明します。
まずは、これまでの経験や経歴を振り返ります。些細なことで構わないので、過去の印象に残っている出来事を紙などに書き出してみると良いでしょう。
紙に書き出すことで、自分を客観的な視点で見れるようになります。上記の例以外にも、思いつくまま、過去の経験を書いてみましょう。客観的な視点から自分を見ることで、向いている仕事や向いていない仕事、辛くても頑張れる仕事などを明らかにできるので、自分に合ったキャリアプランを立てやすくなります。
看護師を目指したときに、なりたかった看護師像を思い出してみましょう。自分や身近な人が看護を受けるなら、どのような看護師に対応してもらいたいか、患者さんやご家族の方の目線で考えるのもおすすめです。
たとえば、「患者さんに寄り添える相談に乗るのが上手な看護師」「急性期でばりばり働いている看護師」「チーム医療に貢献できる看護師」など。どのような看護師になりたかったのか振り返ることで、将来理想とする看護師像が見つけやすくなります。
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自分が極めたいスキルから、将来を考えてみるのもおすすめです。興味のある分野や極めたいスキル、活かしたいスキルなどを書き出してみましょう。たとえば、「がん看護や緩和ケア、認知症看護など特定の分野を極めたい」「組織の目標達成やスタッフへの教育・指導に興味がある」「開業して自分の理想とする看護をマネジメントしたい」などです。
極めたいスキルから将来を考えることで、専門看護師や認定看護師といった資格の取得や管理職へのキャリアアップ、開業スキルの修得など、これからやるべきことも見えてくるでしょう。
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理想とする働き方を明確にすることで、自分に向いている職場や業務を明らかにできます。
「患者さんとじっくり関われる環境で働きたい」「患者さんの日常を支えたい」「最先端の医療に関わりながら、ばりばり働きたい」など、理想とする働き方を考えてみましょう。
看護師のキャリアはジェネラリストやスペシャリストだけではありません。「家庭に重きを置いて働きたい」という場合には、夜勤がない・予約制で残業がほとんどない施設が向いているでしょう。
上記の工程で、理想とする看護師像は明確にできたかもしれません。さらに、理想とする看護師像が実現できる職種や職場を明確にして、キャリアプランを立ててみましょう。
「患者さんとじっくり関わりたい」「患者さんの日常を支えたい」のであれば、リハビリ病院や訪問看護などが例に挙げられます。「最先端の医療に関わりたい」「専門知識を活かしたい」のであれば、専門病院や特定機能病院などが向いているかもしれません。興味のある専門分野に特化した資格を調べることで、よりキャリアプランが明確になるはずです。
「今の職場で叶えられるのか」「転職が必要なのか」「取得するべき資格やスキルは何か」などを考えることで、キャリアプランが明確になっていきます。もし、転職が必要なのであれば、ミスマッチを減らすために病院の特色や業務内容、職場環境を十分に調査することが重要です。
視野を広げることで、新たな看護の道を見つけられることがあります。また、時代によって、新たな職種ができることもあるかもしれません。看護業界だけではなくほかの主億種との交流を図るのも良いでしょう。キャリアプランを立てた後も、アンテナを張って情報収集をし続けることがおすすめです。
上記の工程を踏んでも「理想の看護師像が思い浮かばない」という方は、看護師のキャリアプランの例を調べてみると良いでしょう。ここでは、看護師のキャリアプランの例を紹介するので、参考にしてみてください。
看護師長・看護部長といった管理職の役割は、「マネジメント業務」「看護師の育成」「他部署との連携」「患者さんの管理」「トラブルの対応」などです。「自分が理想とする看護を実現したい」「部下を教育するのが好き」という方は向いているでしょう。
看護師長になるには、「看護主任」「看護師長」「看護部長」と段階的に昇給していくのが一般的です。看護師の管理職になるために必要なスキルや仕事内容は「看護師が管理職になるには?必要な条件と身につけたいスキルを解説」の記事で詳しく説明しているので参考にしてみてください。
特定の専門分野を極めたい方は、「専門看護師」や「認定看護師」の資格を取得して、スキルアップする道が向いているでしょう。どちらも特定の分野のスペシャリストで、どちらも看護資格と5年以上の実務研修期間があることと、特定の教育機関での教育と試験への合格が必要です。専門看護師の方が認定看護師よりも教育期間が長く、難易度が高い傾向にあります。専門看護師と認定看護師の違いは、「認定看護師と専門看護師の違いとは?それぞれの資格の目的と役割を解説!」の記事で解説しているので、興味のある方はご覧ください。
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専門看護師になるには?必要な条件を知りキャリアアップを目指そう
訪問看護師の仕事は、障がいや病気、後遺症などで医療的ケアが必要な方の自宅を訪問し、健康状態の観察・医療処置・日常の看護・リハビリなどを行います。さらに、がんなどの進行性の疾患がある患者さんの、ターミナルケアの需要も高まっているようです。利用者さん1人ひとりに合わせた柔軟なケアができるのが特徴で、子どもから高齢の方まで幅広く対応しています。
なかには、医療的ケアが必要な子どもを専門とする訪問看護事業所も。発達に合わせて遊びやリハビリなどを実施しています。子どもに関わる仕事をしたい方は、医療的ケア児の訪問看護も向いているでしょう。
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訪問看護の仕事内容とは?必要なスキルについても紹介!
アメリカやカナダ、イギリスなどの国外で働く看護師を国際看護師といいます。日本の看護師免許を持つ看護師がアメリカで働く場合は、まずCGFNSの審査と試験を通過し、NCLEX-RNに合格したうえでビザスクリーンの審査が通れば、国際看護師として働くことが可能です。国や州によって求められるスキルや語学力、審査は異なります。もし、キャリアプランとして国際看護師を目指すのであれば、早めに条件を調べておくと良いでしょう。
そのほか、紛争地や被災地といった医療の届かない国や地域に行って看護を行う国際ボランティアもあります。詳しくは「国際看護師ってどんな仕事?なり方や職場を紹介!」の記事をご覧ください。
企業看護師は、主に企業や工場などの医務室で、従業員の健康管理や安全指導、相談対応を行います。勤務時間が日中の企業がほとんどなので夜勤勤務がなく、家庭と仕事のバランスがとりやすい仕事です。「企業で働く看護師とは?仕事内容やメリットをご紹介」の記事で詳しく紹介しているので、興味のある方は参考にしてみてください。
看護資格を活かして一般企業への就業を希望するのであれば、製薬会社などで活躍する治験コーディネーター(CRC)や臨床開発モニター(CRA)といった職種も向いているでしょう。
フリーランス看護師とは、医療機関や事業所と雇用契約を結ぶのではく、業務委託として仕事を請け負います。フリーランス看護師の仕事内容は幅広く、訪問看護やツアーナース、予防接種会場の看護師、医療記事のライターなど。正職員として働くよりも、自分の裁量でスケジュール管理がしやすいので、プライベートに重きを置きやすいのがメリットです。
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フリーランス看護師の働き方とは?必要なスキルや知識を解説
キャリアプランを立てるだけでは実現しません。ここでは、キャリアプランを実現するための手順を紹介します。
「やりたいこと」が明確になったら、「できていること」を明らかにし「やること(資格やスキル、知識など)」を把握してみましょう。下記で、例を紹介します。
【やりたいこと】
がん看護の専門看護資格を取得して、将来は訪問看護師として活躍したい
【できていること】
看護師免許の取得
看護系大学院修士課程の修了
ターミナルケア病棟での経験
【やること】
実務研修を積み、試験に合格する
キャリアプランによっては「○年以上の臨床経験」や「○○の分野への経験や知識」「知識やスキルがあることを証明できる資格」が求められることも。早めに対策を始めたほうが効率的にキャリアアップできます。
「やること」が分かったら、資格取得などに向けて実際に行動していきます。職場によっては、資格を取得するために、転職が必要となるケースがあるかもしれません。
5年後までに○○する。10年後には○○として活躍する。など、年単位で計画を立てておくと良いでしょう。
将来を完璧に予想するのは、ほぼ不可能だといえます。ライフステージによりキャリアプランが変わることがあるかもしれません。経験を積むことで、新たな目標ができることもあるでしょう。そのため、一度決めたキャリアプランに固執するのではなく、軌道修正をすることも大切です。
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看護師のキャリアプランを実現するには?転職で役立つ回答例もご紹介!
キャリアプランを立てることで「仕事のモチベーションが上がる」「看護師としてのスキルが向上する」「専門性が身につき給料アップにつながる」といった効果が期待できます。看護師としてのキャリアプランが立てられない方は、過去の経験を手掛かりにすることで、自分の目標を見つけられるでしょう。また、看護師のキャリアプランに関する情報を集めて、参考にすることもおすすめです。
ただ、看護資格が活かせる職種は豊富にあるため、働きながら1人で情報収集をするのは難しいもの。また、自分の理想に合うキャリアプランが、なかなか見つけられない方も多いでしょう。「将来やりたいことと今あるスキルから、自分に向いているキャリアプランを知りたい」という方はレバウェル看護にご相談ください。
レバウェル看護では、看護師の転職事例を数多く知っているアドバイザーが、丁寧に話を聞きながらキャリアプランを一緒に考えます。客観的な自己分析ができず自分なりのキャリアプランが立てられないという方も、第三者に話すことで自分の考えを明確にできるかもしれません。
レバウェル看護は看護業界に特化した転職エージェントなので、医療施設以外の求人も豊富にあるのが特徴です。「医療施設以外で、看護資格を活かして働きたい」といったキャリアプランであっても、条件に合った職場の紹介も可能。職場の紹介だけではなく、面接の段取りもしてくれるので、仕事が忙しい看護師さんも効率的に転職活動が進められます。サービスはすべて無料なので、お気軽にお問い合わせください。
看護師人材サービス「看護のお仕事」は2022年10月26日から「レバウェル看護」に生まれ変わります。「レバウェル看護」を使うと、より詳しく話を聞くことができます。どんな転職先があるのか等も事前に知ることができます。