
「病棟勤務が辛い」「生活スタイルが変わり夜勤に入れない」などの理由で、クリニックへ転職を検討する看護師はいるでしょう。クリニックは仕事とプライベートを両立しながら、地域の患者さまと深く関われる職場です。この記事では、クリニック看護師の仕事内容や平均年収、転職成功のコツなどを解説。クリニック勤務の看護師に聞いたアンケート結果も交えたメリット・デメリットも紹介しているので、ぜひご一読ください。
e-GOV法令検索「医療法」によると、「診療所」「医院」とも呼ばれるクリニックは、19床以下の小規模な医療機関です。クリニックは地域のかかりつけ医の役割を持ち、外来業務をメインに慢性的な疾患の治療や健康相談などを行います。病院とは異なる役割を持つため、病院からクリニックへの転職を考える看護師も多くいるようです。
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ここでは、クリニックで働く看護師の仕事内容と1日の流れをご紹介します。実際の業務はクリニックごとに異なるため、あくまでも参考程度にご覧ください。
クリニックは基本的に少ないスタッフで運営されているため、看護師は診察補助以外の業務を担うこともあります。クリニックで働く看護師が任される仕事内容は、以下のとおりです。
事務職員が少ないクリニックの場合、電話や受付対応を看護師が行うこともあるでしょう。清掃は看護師が行うクリニックもあれば、専門業者が行うクリニックもあります。業務範囲は勤め先ごとに異なるので、事前にどこまでを担当するのか確認しておくことが大切です。
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クリニックで勤務する看護師のスケジュール例は、次のようになっています。
| 8:30 | 【出勤】ミーティングを実施。予約確認や清掃をし、午前診療の準備をする |
| 9:00 | 【午前診療開始】問診や診療介助、採血などを行う |
| 12:30 | 【午前診療終了】治療用具の滅菌・消毒や清掃を行い、午後診療の準備をする |
| 13:00 | 【休憩】 |
| 15:00 | 【午後診療開始】午前診療と同様に、問診や診療介助、採血などを行う |
| 18:00 | 【退勤】治療用具の滅菌・消毒や清掃、物品補充を行って業務を終える |
診療時間が長いクリニックの場合は、シフトが早番と遅番に分かれていることもあります。とはいえ、病棟勤務の夜勤・日勤と比較して勤務時間の差が少ないため、生活リズムを保ちやすいでしょう。
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ここでは、クリニックで働く看護師の平均年収を「病院やほかの施設形態との比較」「時給相場」の観点で解説します。
2024年3月に行ったレバウェル看護の独自調査によると、クリニックと病院で働く看護師の月給やボーナス、年収の平均は以下のとおりでした。
| 平均月給 | 平均ボーナス | 平均年収 | |
| クリニック | 31万4,448円 | 50万5,450円 | 427万8,826円 |
| 病院 | 33万2,482円 | 77万6,162円 | 476万5,946円 |
※月給×12か月+ボーナス金額で計算
※月給・ボーナスは、転職時期や入職タイミングによっても異なる
クリニックの年収が427万8,826円、一般病院で働く看護師の平均年収は476万5,946円となっており、48万7,120円の差が生じています。この理由には、クリニックの働き方が日勤のみであることが多く、夜勤手当が支給されないことが考えられます。そのため、病棟からクリニックへ転職を検討している看護師は、収入が減少することも理解しておきましょう。
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レバウェル看護の同調査において、クリニックと病院以外の働き方で、看護師の給料はどう異なるのか比較してみましょう。訪問看護や介護施設と比較したクリニックの月給やボーナス、年収は以下のとおりです。
| 平均月給 | 平均ボーナス | 平均年収 | |
| クリニック | 31万4,448円 | 50万5,450円 | 427万8,826円 |
| 訪問看護 | 32万9,938円 | 62万円 | 457万9,256円 |
| 介護施設 | 32万9,615円 | 71万5,899円 | 467万1,279円 |
| 病院 | 33万2,482円 | 77万6,162円 | 476万5,946円 |
※月給×12か月+ボーナス金額で計算
※月給・ボーナスは、転職時期や入職タイミングによっても異なる
病院以外の勤務形態と比較すると、月給が大きく変わらないものの、クリニックはボーナスの差が大きいようです。訪問看護も介護施設も夜勤がある職場では、夜勤手当が付くため、クリニックとの年収差に影響を及ぼしているといえます。
クリニックの求人は正職員だけでなく、パートやアルバイトの求人もあります。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査 / 令和5年賃金構造基本統計調査 短時間労働者 職種」によると、短時間で働く看護師の平均所定内給与額は、1時間当たり1,849円。クリニックで働く看護師の時給は、1,500円〜2,000円程度が相場といえるでしょう。なお、時給額は就業する地域や応募者のスキルなどによっても異なる点にご注意ください。
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看護師がクリニックに転職すれば、地域に密着した働き方が叶ったり、自宅近くの職場で通勤が楽になったりする場合があります。ここでは、レバウェル看護公式Instagramで行ったアンケートの内容も踏まえ、看護師がクリニックに転職するメリットを確認してみましょう。
レバウェル看護公式Instagramで「クリニックに転職してよかったと思うのはどんなとき?」というストーリーズアンケートでは、次のような回答がありました。
レバウェル看護公式Instagram
・仕事量が少なく、日勤のみで働ける。医師が常駐しているので安心できる
・患者さんの急変なし。夜勤なし。委員会や勉強会なし。ワーク・ライフ・バランスが整えられる
クリニック勤務の看護師は、病棟と比較すると業務量の負担が減ることが魅力です。退勤後や休日の予定も組みやすいので、プライベートを充実させられます。
レバウェル看護公式Instagramで「クリニックで働く看護師さんがやりがいを感じる瞬間はどんなとき?」とアンケートを行ったところ、以下のような回答が寄せられました。
レバウェル看護公式Instagram
・「あなたに会いに来たの!」「看護師さんいるから来ました」と患者さんに言ってもらったとき
・「ここでいつもあなたの顔見て安心する」と言われたとき!シフトじゃないから基本いつも勤務してる
・親子三代で通っておられる患者さんに「貴方の顔を見ると安心する」と言われたときです
クリニックは地域に根ざしているため、患者さんに顔を覚えてもらったり、一人ひとりに適した対応ができたりします。自分の動きで業務がうまく進んだときは、やりがいを感じやすいでしょう。
クリニックの魅力の一つは、選べる求人の選択肢が多い点といえます。厚生労働省の「令和5(2023)年医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況 統計表(p.28)」によると、一般診療所と病院の数は以下のとおりです。
| 一般診療所 | 病院 | |
| 施設数 | 104,894 | 8,122 |
参照:厚生労働省「令和5(2023)年医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況 統計表(p.28)」
病院に比べて施設数が多いクリニックは求人の選択肢が多いため、徒歩で通える求人も探しやすいといえます。エリアによっては「駅ビル内」や「駅直結」といった駅チカのクリニックもあり、通勤が苦にならないといえるでしょう。アクセスしやすい職場が多いことは、転職後も継続して働くメリットになります。
クリニックでの勤務には、メリットがある一方でデメリットも存在するのが現状です。下記の内容を参考に、自分の希望する働き方とクリニックでの勤務スタイルがマッチするかを考えてみましょう。
レバウェル看護公式Instagramで「クリニックの看護師さんがつらいと感じる瞬間はいつ?」とストーリーズアンケートを行ったところ、以下のような回答をいただきました。
レバウェル看護公式Instagram
・スタッフと休み希望が重なったとき
・少ない人数で勤務しているから毎日同じ顔合わせ
・人数少ない中でこなすので、合わない人とも絶対に顔を合わせないといけないことです!
クリニックは職員数の少なさから、仕事の調整に困ったり人間関係に悩んだりすることがあるようです。看護師1人が担当する業務は多岐にわたるため、求められるスキルの多さに大変さを感じる人もいます。少人数体制ならではの不満により、一概に病院より気楽とはいえないかもしれません。
クリニックは規模が小さく、個人が経営しているところもあるため、立場のある人の一言で方針が変わることも考えられます。満足できる看護ができなかったり、方向性が職場と合わなかったりすると、働き続けるのが難しくなるでしょう。病院に比べて看護師の数が少なめであるクリニックは、ほかの看護師と人間関係が密接になりやすいため、ストレスに感じる方もいるかもしれません。
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最新機器を使った手術や急性期の疾患などを多く扱う病院に比べると、クリニックは看護技術が上がりにくい点がデメリットといえます。クリニックで働く看護師はキャリアがバラバラのため、業務の相談がしにくい場合もあるようです。
職場によっては事務的な作業が多くあり、看護業務が限られることから、看護師としてのスキルアップが難しい可能性も。医療分野での専門性を高めたい方にとっては、クリニックへの転職が向いていないことも考えられます。
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クリニックは診療科目によって業務内容や職場環境が大きく異なります。ここでは、クリニックの診療科目ごとの特徴をご紹介。クリニックの転職先に悩んでいる方は、参考にしてみてください。
内科クリニックの数は多く、それに比例して求人も豊富に掲載されています。消化器内科・胃腸内科・循環器内科など、特定の疾患に特化したクリニックもあるので、「専門分野を極めたい」「これまでの経験を活かしたい」とお考えの看護師は、診療科を絞って求人を探すと良いでしょう。「採血や注射が得意」「患者さんと会話するのが好き」という看護師さんは、活躍が期待できます。
美容クリニックは、美容に関心がある看護師におすすめの職場です。美容クリニックは自由診療が基本のため、クリニックの利益が看護師の給与に反映されます。そのため、働き方によってはより高収入を狙えるのがポイントです。ただし、美容クリニックでは来院する方に「お客さま」として接するため、ほかの診療科に比べて高い接遇スキルが求められます。お客さまからの相談や要望を受ける場合もあり、悩みやどのようになりたいのかを汲み取る能力が必要です。
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小児科クリニックは、乳児から15歳程度の子どもまでを対応する職場です。そのため、子どもと接することが好きな方に向いています。小児科病棟勤務の経験がある看護師さんは、これまでの経験を十分に活かせるでしょう。小児科クリニックでは医師が採血や注射を行うことが多いため、看護師は処置の補助の役割を担う傾向にあります。また、保護者の心理的ケアも看護師の役割として求められるようです。
眼科クリニックは、小児から高齢者まで幅広い年代の患者さまが来院するのが特徴です。クリニックによっては、子どもの目の診療に特化した小児眼科もあります。眼科クリニックは生命に関わるような緊急性の高い患者さんは少ないので、落ち着いた環境で仕事がしたい看護師に向いているでしょう。視能訓練士が在籍しているクリニックの場合、看護師は検査の説明や採血、器具の消毒などを行います。手術を行っている眼科クリニックであれば、手術準備や器械出しのように、医療現場でのスキルを活かせるでしょう。
整形外科クリニックの患者さんは子どもから高齢の方まで幅広く、怪我や骨粗しょう症、腰痛などでの受診が多いようです。学校が近いクリニックは、授業や部活動での外傷やスポーツ外傷の症状で来院する学生が多い傾向にあります。整形外科クリニックの看護師は、基本的な看護業務に加え、移動介助やギプスの固定、包帯を巻くなどの業務を担当。リハビリを目的として来院する患者さんには、ケアマネジャーや理学療法士などの介護職が対応することも多いため、看護師は他職種との連携が必要です。
看護師がクリニックへの転職を成功させるには、転職理由を明確にしたり、スキルを身につけたりする必要があります。以下では、転職を成功させるポイントを解説しているので、参考にしてみてください。
数年の臨床経験がある看護師さんは、経験のある診療科目のクリニックを選ぶのも手です。クリニックでは、一つの職場に配置される看護師の人数が少ないため、求人が出る際は基本的に欠員の募集。そのため、自分が経験した診療科のクリニックを選ぶと、即戦力として見てもらいやすく、転職が成功しやすくなります。求められる基本的なスキルを取得しているため、自身も業務に慣れやすいメリットも感じられるでしょう。
クリニックへの転職を成功させるには、転職する理由や志望動機を整理することが重要です。転職理由を明確にすれば、次の職場に求める条件が明確になるため、自分に合った職場を見つけられるでしょう。看護師が志望動機を考えるときは、業務内容や経営理念についても触れることがポイントです。
志望動機を作成する際は、「なぜ病院からクリニックを選んだのか」「なぜその応募先を選んだのか」を簡潔にまとめてみてください。また、志望動機には、自分が得意な業務や長く勤めたい意思を盛り込むこともポイントです。
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クリニックに転職する際は、応募前に基本的な手技は身につけておくようにしましょう。クリニックでは採血や注射、心電図検査の補助など基本的な手技や知識が必要です。しかし、職員数の少なさから新規採用者向けのフォロー体制が整っていない場合があります。
看護師向けの研修を利用してあらかじめ基本的なスキルを身につけておくと、転職で有利に働くでしょう。とはいえ、入社後も安心して勤務するために、できないことや自信がないことは面接で正直に伝えておくと良いでしょう。
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クリニックの雰囲気が自分に合っているかどうか判断するには、施設見学をするのがおすすめです。Webサイトや口コミで職場の情報を掴んでいても、実際に目で見てみると印象が変わることがあります。クリニックを見学する際は、働いているスタッフの表情や物品の整頓状況をチェックしましょう。スタッフの表情が明るく、整理整頓が行き届いた職場は業務にゆとりがある可能性が高いといえます。
クリニックへの転職を成功させたい看護師は、求人を比較検討し、叶えたい働き方に近い職場を見つけましょう。看護業界に特化した転職エージェントなら、希望条件に合った求人を選んで紹介してくれるため、効率的に転職活動を進められます。
たとえば、大手法人や規模の大きい専門クリニックは教育体制が充実している傾向にあります。基本的な手技に不安がある新人看護師さんには、教育体制やフォロー体制が手厚い転職先を条件に求人選びを依頼すると良いでしょう。具体的な転職の軸が見つからないという場合も、アドバイザーと相談しながら方向性を定められます。
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ここでは、看護師がクリニックへの転職を考える際に抱える疑問や不安に対し、Q&A形式で回答していきます。
1年目・2年目・3年目の看護師がクリニックに転職するのは特別に早くはありませんが、3年程度の臨床経験を応募要件としている場合が多いようです。少ない人数で業務を回しているクリニックは、教育体制やフォロー体制が大きな病院ほど充実していない傾向にあります。そのため、採血や点滴といった基本的な手技は習得していることが前提です。看護師が3年目以内でクリニックに応募する際は、「看護師一年目でもクリニックに転職できる?求人を探すコツをご紹介」も参考にご覧ください。
クリニックへの転職に向いている人には、「夜勤なしで休日固定の職場を探している人」「外来業務やコミュニケーションに抵抗がない人」「病棟勤務につらさを感じている人」などが挙げられます。固定された休診日を活用してプライベートの予定を計画的に立てたい方や、さまざまな患者さまと触れ合うことが苦にならない方はクリニックの転職で後悔しにくいでしょう。クリニックは基本的に救急対応が少ないので、病棟で重症患者さまの対応やオンコールなどに追われていた方も向いているといえる
長年クリニックで働いていた方がすぐに病棟に転職するのは難しいかもしれません。病院では夜勤や異動があるため、生活リズムが変わってしまうことや、新たに学び直すことが多い点も念頭に置く必要があります。将来的に病棟へ戻る可能性も考えている方は、慢性期の患者さんが中心の職場で業務に慣れてから、希望の病棟を目指すのがおすすめです。また、看護師向けの再就職支援研修を受け、患者さんのケアに必要なスキルを確認するのも有効といえます。
クリニックは夜勤がなくお休みが曜日で固定されている職場が多いため、仕事とプライベートを両立させたい方におすすめです。患者さんと長年にわたって関係を築ける点も魅力といえます。施設数が多いため、選べる求人が多い点がメリットでしょう。一方で、基本的に夜勤がないため、病院やほかの夜勤がない職場と比べると給料や年収面での不満が生まれやすいかもしれません。
また、クリニックは各クリニックが専門とする分野によって、仕事内容が異なります。クリニックへの転職を成功させるには、自分の経歴・スキルと応募先のニーズをすり合わせることが重要です。なお、クリニックの求人は、基本的に欠員の募集であることが多いため、即戦力となれるように基本的な手技は身につけてから応募すると安心でしょう。
「自分に合ったクリニックが分からない」「1人では採用数の少ないクリニックの選考に受かるための対策方法が分からない」とお悩みの方は、「レバウェル看護」へお気軽にご相談ください。「レバウェル看護」では、看護の仕事や業界に詳しいアドバイザーが、あなたの経歴・将来の目標・生活スタイルなどを踏まえて求人のご紹介をいたします。
「レバウェル看護」では、職場訪問や入職後アンケートで職場の内情を把握しているので、応募先に合わせた選考対策が可能です。初回の電話ヒアリングのあとは、キャリアアドバイザーとメールやLINEでやり取りできるので、隙間時間に転職活動を進められますよ。
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