クリニック看護師の給料相場はどれくらい?収入アップのポイントも解説

2022.11.18

財布の中身をうかがっている看護師のイメージ

クリニックへの転職を検討するにあたり、「クリニックで働く看護師の給料はどれくらい?」「ほかの医療現場と給料の違いはある?」といった疑問を抱える看護師もいるでしょう。ほかの医療施設と比較すると、クリニックの看護師の給料は低い傾向にありますが、収入を上げることも可能です。この記事では、クリニックで働く看護師の給料事情や稼ぎやすい環境、収入アップのポイントなどをご紹介します。

クリニックで働く看護師の平均給料

日本看護協会の「2021年看護職員実態調査」によると、クリニックで働く看護師の平均給料は、35万4,563円でした。この数値はあくまでも平均のため、経験年数や保有資格、役職などによって看護師の給料は変化するでしょう。また、クリニックの専門領域や働く地域によっても、収入に違いが生じるので注意が必要です。

出典
日本看護協会「日本看護協会調査研究報告シリーズ」(2022年11月14日)

勤務形態による給料の違い

クリニックで働く看護師の給料は、勤務形態によっても違いがあります。正社員の看護師が月給約35万円なのに対し、非正規社員の場合は時給1,500〜2,000円程度が相場です。また、クリニックで働く准看護師の場合は時給1,200〜1,500円ほどが基本となっています。自分がどのような働き方を実現したいか、どれくらいの収入を得たいのかを考えながら、転職活動を進めましょう。

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病院や介護施設で働く看護師との給料の違い

病院や介護施設というように、クリニックとクリニック以外で働く看護師には、給料に違いが生じます。ここでは、施設形態における給料の違いについて確認してみましょう。

クリニックの給料は低め

日本看護協会の「2021年看護職員実態調査」によると、クリニックの看護師の平均給料は、ほかの施設形態よりも低い傾向にあります。

施設形態看護師の平均給料
クリニック35万4,563円
病院38万6,046円 
助産所37万1,675円
訪問看護ステーション36万7,775円 
介護施設34万6,236円 

引用:日本看護協会「2021年看護職員実態調査

クリニックと病院とでは、看護師の平均給料に約3万円の差が出ていることがわかります。ほかの医療現場からクリニックに転職する場合は、年収が下がる可能性があることを視野に入れておきましょう。

出典
日本看護協会「日本看護協会調査研究報告シリーズ」(2022年11月14日)

クリニックは夜勤・休日手当がない

クリニックで働く看護師は、基本的に夜勤に携わることがありません。また、病院と違って緊急対応することがないため、休日手当を受け取る機会も少ないでしょう。
反対に、病院で働く看護師には夜勤があり、夜勤手当の額も高めに設定されていることから、給料が高くなると判断できます。ほかの医療現場と比較すると給料は低めですが、無理なく働けるのがクリニックの看護師のポイントです。

クリニックの福利厚生/社会保険に注意

クリニックの福利厚生・社会保険は、大型の医療施設と比較すると、諸手当が少ない可能性があります。福利厚生や社会保険の充実さは、医療施設の規模の大きさに比例しているのが現状です。通勤手当や勤続手当、時間外手当などはクリニックも支給がされますが、住宅手当・家族手当・祝い金制度などの充実した福利厚生は含まれない場合があるので注意しましょう。

クリニックの看護師が給料を上げる方法

クリニックの看護師が給料を上げる方法には、上位資格の取得・役職へのステップアップ・副業などがあります。以下では、収入をアップする取り組み方についてまとめました。

上位資格を取得する

認定看護師や専門看護師といった上位資格を取得すれば、資格手当の額面が大きくなる場合があります。自分が担当している診療科に関する資格なら、患者さんの症状に対する理解を深められ、ケアに活かせるでしょう。専門知識を身につけてより良い看護を提供できれば、事業への貢献度で基本給が上がる可能性もあります。

役職に就く

クリニックの看護師として経験を重ね、役職に就けば、給料アップにつながります。リーダー的役割を担いながら新人看護師の育成をしたり、マネジメントを行ったりすると、役職としてのスキルを評価してもらえるでしょう。役職の評価は役職手当やボーナスなどに反映されるため、収入アップに期待ができます。

副業をする

副業をすれば、クリニックの給料とは別に収入を得られます。クリニックは定時で帰れることが多いため、副業の時間も確保しやすいでしょう。夜勤のアルバイトや医療分野に関する文章作成といった仕事なら、看護師経験を活かして取り組むことが可能です。ただし、職場によっては副業を禁止している場合もあるので、勤め先の就業規則を確認しておきましょう。

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看護師の給料が高いクリニックの種類

ここでは、看護師の給料が高い傾向にあるクリニックの種類をご紹介します。クリニックで働きつつも、ある程度の収入を確保したいと考えている看護師は、ぜひ参考にしてください。

歯科クリニック

歯科クリニックでは、患者さんの希望に応じて自由診療を行います。職場の方針によっては、担当した自由診療の額が給料や賞与に反映される場合も。歯科の自由診療は金額が高いため、収入として得られる割合も高くなるでしょう。

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美容クリニック

美容クリニックで働く看護師は、基本給が高い傾向にあります。美容関連の商品を販売したり、顧客から指名を受けたりすると、インセンティブを受け取ることも可能です。接客や営業といった仕事に近いことも行いますが、頑張り次第で収入を上げられるのが強みといえます。

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透析クリニック

人工透析では、透析に特化した機械を扱ったり、穿刺を行ったりすることから、ほかのクリニックよりも給料が高く設定されています。危険手当も付与されるので、クリニックで働きながらも給料面を確保したい看護師におすすめの職場環境です。また、透析クリニックは患者さんの通院が前提となるため、安定した収入を得られることもポイントといえます。

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給料以外で看護師がクリニックで働くメリット

看護師がクリニックで働くメリットには、夜勤や残業が少ないこと、休暇の取りやすさなどが挙げられます。この項でそれぞれのポイントをチェックしてみましょう。

夜勤や残業が少ない傾向にある

クリニックは病院と比較すると、夜勤や残業が少なめの傾向にあります。患者さんが多く来院した日は対応に追われる場合もありますが、定時に帰れる機会も多いです。夜勤や残業が少ないクリニックなら、看護師の役割を果たしながら規則正しい生活を送れます。ワーク・ライフ・バランスが取りやすい職場環境では、長期活躍を実現できるでしょう。

曜日固定の休みが取れる

クリニックは、固定の曜日が定休日として設定されています。日曜日が休みになっているところも多く、友人や家族といったプライベートの予定を合わせやすいでしょう。休日が不規則にならないので、生活にメリハリをつけられることが特徴です。プライベートの時間を確保できれば、心身のストレスも軽減できます。

地域に根ざした環境で働ける

クリニックは、地域密着型で展開されていることが多いです。思い入れのある地域があれば、その近辺で看護師として働けます。患者さんとも顔なじみの関係を築けるため、信頼のおけるサービス提供に尽力することが可能です。地域に根ざした和やかな雰囲気のクリニックなら、自分らしく働けるでしょう。

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看護師がクリニックで働くデメリット

看護師がクリニックで働くときは、急な休みが取りにくかったり、人間関係が狭かったりするといった場合があります。看護師がクリニックで働くデメリットは以下のとおりです。

急な休みや長期休暇は取りにくい

クリニックは病院よりも看護師数が少ないため、急な休みや長期休暇が取りにくくなるでしょう。少人数体制の職場では1人あたりの業務量が多くなるので、誰かが休んだとき、ほかの職員にかかる負担が大きくなってしまいます。まとまった休暇を取得したいときは、早めに相談して周囲の協力を得ることが必要です。

人間関係の問題が生じると働きづらくなる

クリニックはスタッフの数が少ないゆえに人間関係が狭まるため、合わない人がいると働きづらくなる可能性があります。仕事でほぼ毎日顔を合わせることになるので、人間関係に問題が生じると仕事に苦痛を感じてしまう場合もあり得るでしょう。看護師をはじめとしたスタッフの人員が限られていると、より一層人間関係に注意を払わなくてはなりません。

看護スキルを向上できない可能性がある

クリニックでは高度な医療技術があまり必要とされないため、簡単な処置に慣れると看護スキルを向上できない可能性があります。自分が担当している業務以外の専門知識が習得できず、スキルアップにつながらないことへ不満を感じる看護師もいるでしょう。また、看護師が長年勤めたクリニックから病院へ転職する場合、過去にできていた対応がうまくいかずに苦労することもあるようです。

まとめ

クリニックで働く看護師の平均給料は約35万円となっており、ほかの医療現場と比較すると収入が低い傾向にあります。病院や訪問看護からクリニックに転職する場合は、給料が下がる可能性もあることを理解しておきましょう。夜勤や休日出勤のあるクリニックは少ないので、ワーク・ライフ・バランスを確保できるのが強みです。
クリニックの看護師として収入アップを目指したい場合は、上位資格を取得したり、役職に就いたりする方法があります。また、歯科や美容、透析などのクリニックなら基本給が高く設定されているでしょう。自分がクリニックの看護師としてどのように働きたいのかを俯瞰して考え、転職先をよく検討しましょう。

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