
クリニックで働く看護師の給料事情が気になる方もいるかもしれません。ほかの医療施設と比較すると、クリニックの看護師の給料は低い傾向にありますが、収入を上げることも可能です。
この記事では、クリニックで働く看護師の給料相場や年収アップの方法などをご紹介します。クリニック勤務のメリット・デメリット、転職時に給料の高いクリニック求人を選ぶポイントも解説していますので、参考にしてみてください。
日本看護協会の調査によると、クリニックで働く看護師の平均基本給は約29万円で、諸手当を含めた平均給与額は約39万円です。(正規雇用フルタイム勤務の場合)
| 平均基本給月額 | 平均税込給与総額 | |
| クリニック(診療所)で働く看護師 | 29万1,453円 | 39万3,454円 |
| 看護師全体 | 28万6,390円 | 40万3,012円 |
参照:日本看護協会「2024年度看護職員の賃金に関する実態調査報告書(18p)」
※「税込給与総額」には、通勤手当・住宅手当・家族手当・夜勤手当・当直手当等を含む(時間外手当及び新型コロナウイルス感染症に係る危険手当等は含まない)
※夜勤をした場合には、当該月に三交代で夜勤8回(二交代で夜勤4回)をしたものとする
手当込みの平均給与で見ると、クリニックで働く看護師は看護師全体よりも低くなっています。これは、クリニックの看護師は夜勤が少なめ・ほとんどないことが1つの要因と考えられるでしょう。
日本看護協会の「2024年度看護職員の賃金に関する実態調査報告書(195~197p)」によると、クリニックで働く看護師の平均賞与額は約93万円、平均年収は約535万円です。
| 平均賞与 | 平均年収 |
| 93万9,910円 | 535万6,551円 |
参照:日本看護協会「2024年度看護職員の賃金に関する実態調査報告書(195~197p)」
※賞与は、夏と冬など複数回支給された場合は1年分の賞与総額で、所得税や雇用保険・健康保険・年金等の社会保険料を控除する前の「支給総額」
年収の手取りを「×0.8」で計算すると、約428万円になります。ただし、賞与は各クリニックで支給額に差があるため、年収にもある程度の幅があることを押さえておきましょう。
▼関連記事
クリニックで働く看護師のボーナス相場は?高収入の職場や給料アップ法も紹介
「レバウェル看護」の独自調査(2024年3月)によると、パート看護師の平均時給は1,383円です。クリニックだけの数値ではありませんが、これを参考にするとクリニックで働くパート看護師の時給は1,300円前後と考えられます。職場にもよりますが、パート・アルバイトの看護師には賞与が支給されないケースもあるようです。
▼関連記事
クリニック看護師の仕事内容は?平均給料・年収や転職するメリットも解説
クリニックの看護師と病院看護師の、平均給料・賞与・年収の比較は以下の表のとおりです。
| 看護師の勤務先 | 平均基本給月額 | 平均税込給与総額 | 平均賞与 | 平均年収 |
| クリニック | 29万1,453円 | 39万3,454円 | 93万9,910円 | 535万6,551円 |
| 病院 | 28万3,304円 | 40万9,436円 | 118万2,440円 | 576万2,314円 |
参照:日本看護協会「2024年度看護職員の賃金に関する実態調査報告書(18p・195~197p)」
病院看護師の平均給与と賞与は、クリニックの看護師よりも高くなっています。以下では、クリニックと病院で働く看護師の、給料面での違いを紹介しますので参考にしてみてください。
調査の結果から見ると、クリニックの看護師の方が基本給は高くなっています。ただし、夜勤や残業手当を含めた平均税込給与総額は、病院看護師の方が約1万6,000円高い結果です。クリニックの看護師は基本的に日勤で緊急対応も少ないことから、夜勤・残業手当代の分で病院看護師よりも給与が低めになると考えられます。
平均賞与額で見ると、病院看護師の方がクリニック看護師より約25万円高く、その分平均年収にも差が出ています。その要因の1つは、賞与や社会保険の充実度は、規模が大きい施設の方が充実している傾向にあることです。病院の方がクリニックよりも規模が大きく、社会保険や各種手当など、給料に関わる福利厚生も手厚い職場が多いといえます。
▼関連記事
クリニックと病院の違いとは?看護師の仕事内容や給料の差を紹介
クリニック勤務に向いている看護師には、以下の特徴があります。
クリニック勤務は少人数でアットホームな環境のため、患者さんと触れ合う機会が多めです。病院のように異動で専門が変わる可能性がないため、診療科目ごとにひとつの看護スキルを特化して磨けます。また、クリニックは日曜が固定で休みの場合が多く、家庭との両立がしやすいのもメリットです。
日本看護協会の「2024年度看護職員の賃金に関する実態調査報告書(186p)」によると、「定期的な昇給がある」と答えたクリニック(診療所)で働く看護師は51.9%です。以下では、クリニックで働く看護師が年収アップを目指す方法を紹介します。
クリニックの看護師は、看護経験や勤続年数を重ねることで給料が上がっていくと考えられます。日本看護協会の同調査(188p)によると、クリニックの昇給制度は、「年齢・経験年数・勤続年数等により昇給」が65.5%、「査定に基づいた評価が昇給に反映される」が27.3%です。地道に経験を積んでいくことで、将来的に給料アップが望めるかもしれません。
認定看護師や専門看護師といった上位資格を取得すれば、職場によっては資格手当が支給されたり、昇格や転職の際の給料額の査定にプラスになったりする可能性があります。高い専門性を身に付けてより良い看護を提供できれば、貢献度を評価されて昇給するケースもあるでしょう。
クリニックの看護師として経験を重ねて役職に就けば、役職手当の支給やボーナスアップなどで収入アップに期待ができます。日本看護協会の同調査(209~210p)によると、管理職手当(管理職・中間管理職)があるクリニック(診療所)の割合は61.8%で、平均手当額は3万6,400円です。クリニックで役職に就く目標がある方は、求人探しの際は役職手当の有無も確認してみてください。
クリニックの看護師が年収を上げるには、高待遇の職場へ転職するのも一つの方法です。経営が安定しているクリニックは、看護師の福利厚生が充実していたり、基本給が高かったりします。実際の待遇面を自分で詳しく調べるのが難しい場合は、転職エージェントを活用するのもおすすめです。独自の情報網から、より詳細な職場情報を教えてもらえる可能性があります。
ここでは、給料が高めなクリニック求人を選びたい看護師が、転職活動で押さえるべきポイントを紹介します。求人を絞り込む際の参考にしてみてください。
給料の高いクリニック求人を選ぶ際は、まず基本給の高さを確認します。日本看護協会の調査によると、クリニックで働く看護師の平均基本給は約29万円です(2024年度)。基本給の額は職場によって異なりますが、平均を基準にすると自分が納得できる給料水準かどうか判断しやすくなります。
各クリニックで支給される手当の種類や金額もチェックしてみましょう。クリニックは個人経営の場合も多いため、福利厚生の充実度に差が出やすいといえます。また、クリニックに転職する際は、社会保険の加入についても確認しましょう。職場の健康保険・厚生年金保険に加入できるかどうかも、自身の経済面に影響する要素です。
クリニックの看護師求人を選ぶときは、昇給制度についても確認してみてください。記事内の「1.経験・勤続年数を積み重ねる」でも紹介したように、経験年数や勤続年数に応じて昇給する仕組みを導入しているクリニックは、6割程度です。勤務年数に応じて昇給する仕組みがあれば、長期的に給料が上がっていくため、モチベーション維持にもつながります。
クリニックで働く看護師のキャリア例については以下も参考にしてみてください。
▶クリニック(診療所)で働く看護師さんのキャリア図鑑【レバウェル看護】
▶美容クリニックで働く看護師さんのキャリア図鑑【レバウェル看護】
ここでは、看護師の給料が高い傾向にあるクリニックの種類をご紹介します。給料水準も下げずにクリニックへ転職したいと考えている方は、チェックしてみてください。
歯科クリニックのなかには、歯列矯正や審美歯科などの自由診療を実施している職場があり、その場合は看護師の給与も高くなる可能性があります。職場の方針によっては、担当した自由診療の額が給料や賞与に反映されるケースもあるようです。
▼関連記事
【2025年最新版】眼科クリニックの看護師の給料は?年収や転職のコツも
美容クリニックで働く看護師は、クリニックのなかでも給料が高い傾向にあります。美容関連の商品を販売したり、顧客から指名を受けたりすると、インセンティブが支給される職場もあるようです。丁寧な接客や営業も必要な分、頑張り次第で収入を上げられるのが強みといえます。
▶美容外科の看護師求人一覧はこちら
▶美容皮膚科の看護師求人一覧はこちら
▼関連記事
美容看護師の年収は?クリニックの給料が高い理由や転職のコツを解説
人工透析の看護師は、透析に特化した機械を扱ったり、穿刺を行ったりと、専門性の高い業務をすることから、ほかのクリニックよりも給料が高めに設定されています。危険手当が支給される場合もあるため、クリニックで働きながらも給料面を確保したい看護師におすすめの職場です。
▼関連記事
透析クリニックの看護師の給料とは?高い理由や転職向けの志望動機も解説!
転職を検討している看護師は、クリニックで働くメリット・デメリットも把握しておくことが大切です。メリットとデメリットの両面を確認して、判断しましょう。
看護師がクリニックで働くメリットには、夜勤や残業が少ないこと、休暇の取りやすさなどが挙げられます。
クリニックは、固定の曜日を休診日として設定しているケースがほとんどです。看護師の休日も病院ほど不規則にならないため、プライベートの予定が立てやすいといえます。また、地域に根ざした医療を経験できるのも特徴です。
▼関連記事
看護師で転職先にクリニックを選ぶメリットは?仕事内容や平均年収も解説
看護師がクリニックで働くときは、急な休みが取りにくかったり、人間関係が狭かったりするといった場合があります。看護師がクリニックで働くデメリットは以下のとおりです。
クリニックは看護師数が少なめのため、急な休みや長期休暇が取りにくいかもしれません。少人数体制の職場では1人あたりの業務量が多くなるので、誰かが休んだとき、ほかの職員にかかる負担が大きくなります。
また、自分が担当している業務以外の専門知識が習得できず、スキルアップにつながらないことへ不満を感じる看護師もいるかもしれません。
▼関連記事
クリニックの看護師は休みが少ないって本当?休日数の平均や実際の事情も
ここでは、「レバウェル看護」のサポートを受けて、希望の収入・自身が働きやすい条件が叶うクリニックへ転職した看護師さんの事例を紹介します。
看護師Iさんは、一般病院で8年間勤務してきました。シングルマザーで、仕事と子育てに奮闘する日々を送っていたものの、人手不足で休みが取りにくい職場に、心身ともに限界を感じていたといいます。退職を決意したIさんは、転職先を探すために「レバウェル看護」にご相談くださいました。話を聞いていくうちに、「本当は新しい土地に引っ越して、趣味のスキューバダイビングを休みの日に楽しみたい」というIさんの本音が出ます。キャリアアドバイザーは、Iさんの「理想の働き方」が叶い、今までの経験を活かせる透析クリニックを提案することにしました。
▼詳しくはこちら
子育ても収入も趣味も!理想の働き方を叶える転職で重要なことは?
ここでは、クリニックの給料が気になる看護師によくある質問を、Q&A形式で紹介します。
クリニックの看護師の平均給料は、病院に比べると少なめになっています。基本的に夜勤がないため夜勤手当が付かないことや、残業や休日の対応が少ないためです。クリニックは少人数の看護体制の分、「急な休みを取るのが難しい」「業務の範囲が広い」点が辛いと感じる場合があります。自分のライフスタイルに合わせた職場選びをすることが大切です。
クリニックの看護師の年収相場は500万円以上なので、給料水準が高い地域や診療科で働く、役職に就くなどすれば年収600万円に近づく可能性はあります。詳しくは、「クリニックの看護師は年収600万も可能?給料を上げる求人選びと転職方法」も参考にしてみてください。
自由診療も行っている場合は美容クリニック自体の収益が高めで、それに伴って看護師の基本給も高水準な傾向にあります。職場によっては看護師個人や事業所の売り上げ成績に応じて、インセンティブがプラスで支給されるケースもあるようです。詳しくは、記事内の「美容クリニック」をご覧ください。
副業を考えている方は、まず勤務先のクリニックの就業規則で可否を確認しましょう。クリニックは日勤のみの職場も多めで、病院よりも残業が少ない傾向にあるので、副業を始めやすいかもしれません。ただし、副業によって安定して大幅な収入アップを叶えるのは難しいのは、留意が必要です。
日本看護協会の調査によると、クリニックで働く看護師の平均基本給額は約29万円です。病院の看護師と比較すると夜勤手当・残業手当の分で収入が低い傾向にあるため、転職で給料が下がる可能性も認識しておきましょう。一方、クリニックは夜勤や休日出勤のある職場が少ないため、ワーク・ライフ・バランスを確保できるのが強みです。クリニックの看護師として収入アップを目指したい場合は、上位資格の取得や役職に就く、高給与な職場を探すといった方法があります。自身がクリニックの看護師としてどのように働きたいのかを明確にし、転職先をよく検討してみてください。
クリニックへの転職を考えている看護師さんは、「レバウェル看護」の転職支援サービスを活用してみませんか?「レバウェル看護」では、クリニックの求人情報を多数保有しています。豊富な求人のなかから、希望条件に合った仕事をご提案するので、転職後のミスマッチを防ぐことが可能です。初回の電話相談後はLINEやメールでやり取りできますので、お気軽にご相談ください。
記事の制作について
「レバウェル看護 看護師さん向けお役立ち情報」では、
記事の制作・公開にあたってのポリシーを定めています。
詳細は下記よりご確認いただけます。
キャリア
働く場所
選考対策
資格
その他
読みもの
連載