仕事
2023.1.24
「男性看護師の年収ってどのくらい?」「高給与な職場とは?」と気になる方は多いでしょう。男性看護師の年収は女性看護師と比較すると高めな傾向にあり、さらにキャリアを積むことで収入アップは望めます。この記事では、男性看護師の平均年収と年代別による他職種との差をまとめました。また、高年収が狙える職場や収入アップのために今からできることも解説します。ぜひご一読いただき、参考にしてみてください。
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、男性看護師の平均年収は、474万5,400円です。こちらの額は、同調査にある男性看護師の平均給与31万8,700円の12ヶ月分と、年間賞与その他特別給与額92万1,000円を足したものになります。
ここでは、年齢別・男女別で看護師の平均年収を紹介します。自身の年収がほかの看護師と比べてどのくらいなのか気になる方は、ぜひチェックしてみてください。実際の年収は職場の規模や仕事内容、勤務形態などによって異なるため、あくまでも参考程度に留めておきましょう。
【年齢階級別・男女別の平均年収】
年齢階級 | 男性看護師の平均年収 | 女性看護師の平均年収 |
20~24歳 | 339万1,800円 | 353万6,100円 |
25~29歳 | 414万4,500円 | 412万2,000円 |
30~34歳 | 465万1,400円 | 429万2,900円 |
35~39歳 | 481万4,200円 | 450万8,500円 |
40~44歳 | 519万4,100円 | 491万100円 |
45~49歳 | 509万4,200円 | 502万2,200円 |
50~54歳 | 542万200円 | 516万9,400円 |
55~59歳 | 596万6,400円 | 527万7,600円 |
60~64歳 | 555万9,100円 | 439万0,200円 |
65~69歳 | 390万6,500円 | 400万9,700円 |
引用:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 職種(特掲)、性、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」
男性看護師の平均年収は、20代では女性看護師より低めであるものの、30代以降は基本的に高いことが分かりました。また、定年退職を迎える人が多い60代までは、年齢を重ねるごとに年収は上昇傾向にあります。
国税庁の平均給与によると、男性労働者全体の平均年収は567万円です。男性看護師の平均年収は474万5,400円であり、他職種と比較すると低めですが、同データの「年齢階層別の平均給与」を見ると、20代のうちは一般的な男性労働者より高めなことが分かります。
以下では、「令和3年賃金構造基本統計調査」を参考に、男性看護師とほかの職種の年収を年代別で比較してみました。
【年齢階級別・他職種の平均年収】
年齢階級 | 男性看護師 | 化学技術者 | 保育士 | 営業・販売事務従事者 | 警備員 |
20~24歳 | 339万1,800円 | 306万1,300円 | 289万2,400円 | 312万2,600円 | 288万5,100円 |
25~29歳 | 414万4,500円 | 393万1,800円 | 366万4,400円 | 408万5,700円 | 314万4,700円 |
30~34歳 | 465万1,400円 | 508万4,800円 | 421万3,900円 | 458万1,900円 | 341万4,800円 |
35~39歳 | 481万4,200円 | 595万7,600円 | 495万1,800円 | 532万6,200円 | 329万600円 |
40~44歳 | 519万4,100円 | 650万5,000円 | 459万8,900円 | 579万8,900円 | 366万8,200円 |
45~49歳 | 509万4,200円 | 685万3,700円 | 462万8,800円 | 609万4,800円 | 357万5,100円 |
50~54歳 | 542万200円 | 824万3,500円 | 335万3,600円 | 654万800万 | 337万0,200円 |
55~59歳 | 596万6,400円 | 873万2,300円 | 561万2,400円 | 668万3,200円 | 314万9,900円 |
60~64歳 | 555万9,100円 | 492万6,600円 | 251万400円 | 425万3,000円 | 265万3,800円 |
65~69歳 | 390万6,500円 | 350万4,700円 | 564万5,000円 | 352万600円 | 228万1,100円 |
引用:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 職種(特掲)、性、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」
比較する職種によって、「若いときは男性看護師の方が高い」「60代以降は男性看護師の方が高い」など異なります。また、国家資格が必須で専門的な知識や技術が求められる看護師は、全体的に安定した収入を得やすいといえます。
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男性看護師は、高齢化が進む社会のなかで、今後さらに需要が見込まれる職種といえるでしょう。ここでは、男性看護師の将来性や活躍できる職場について解説します。このまま続けることに不安を抱えている方は、ご一読ください。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」の過去のデータをもとに、男性看護師の平均年収を数年分まとめました。
【調査年別の男性看護師の平均年収】
2021年 | 2020年 | 2019年 | 2018年 | 2017年 |
474万5,400円 | 468万8,200円 | 452万4,000円 | 445万1,400円 | 446万7,000円 |
男性看護師の平均年収は、年々ゆるやかな上昇傾向にあります。2017年と2021年を比べると、約27万円アップしている状況です。将来も安定すると予想されるものの、大幅な給与アップは狙えない状況ともいえるでしょう。
近年の高齢化社会で「医療ニーズが多様化」「看護師の人手不足」などが起こり、医療業界における男性看護師の需要は高いと考えられます。時代が変化しても医療ニーズがなくなることはなく、多くの病院やクリニック、施設において看護師の存在は重要なものです。
また、男性だからこそ活躍できる職場も多くあります。たとえば、夜勤が多く患者さまの介護や介助で体力の要する救命救急センターや介護施設、精神科病棟では活躍しやすいでしょう。泌尿器科や男性専門外来などは男性看護師だからこそ、患者さまに寄り添ったケアが行えるかもしれません。
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男性看護師が年収アップを狙うには、「資格を取得して手当を受ける」「夜勤メインで働く」といった方法があります。以下で詳しく紹介しているので、今より年収を上げたい方は参考にしてみましょう。
専門看護師や認定看護師といった上位資格を取得することで、資格手当が支給されやすく、年収アップも望めるでしょう。資格手当の相場は、5,000円〜4万円ほどで職場によって異なります。
上位資格以外でも業務に役立つ資格があると看護師として評価され、手当を受けられる可能性も。たとえば、職場が介護施設であれば介護職員初任者研修や実務者研修、精神科であれば臨床心理士やチャイルドカウンセラーなどが挙げられます。
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キャリアを積んで管理職になると、役職手当が支給されたり基本給が上がったりするため、年収も上がっていくでしょう。職場によっては看護部長や看護主任だけではなく、新人教育の担当や現場リーダーになることで手当が受けられるかもしれません。キャリアアップを目指す方は、普段から意欲的に仕事に取り組み、ニーズに沿った質の高い看護を心掛けることが大切です。
一般的に多くの職場では勤続年数が増えると昇給する傾向にあるため、年収アップを狙う男性看護師の方は、同じ職場で長く勤めることをおすすめします。長く働くことで責任の大きな仕事を任されやすく、職場で評価されるものです。業務で貢献し、常に向上心を維持して働き続けることで、より昇給しやすくなるでしょう。
病棟やICU、入所型の介護施設などで勤務している方は、夜勤メインで働いて手当を増やすという方法もあります。特に規模の大きな職場は、夜勤手当の支給額も高いでしょう。日本看護協会の「2020年病院看護実態調査報告書(p19)」によると、夜勤手当の平均額は三交代制の準夜勤が4,154円、三交代制の深夜勤が5,122円、二交代制は11,286円という結果です。もし二交代制の職場で月に6回夜勤に入る場合、夜勤手当のみで6万7,000円ほど得られます。
「体力に自信がある」「日中はプライベートの時間を過ごしたい」とお考えの男性看護師の方は、夜勤専従として働くのもおすすめです。現在日勤のみで働いている場合は、大幅な年収アップが望めるかもしれません。
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年収を上げるためには、副業をして収入を増やすのも一つの方法です。看護師が行える副業として考えられるのは、在宅での作業や寝当直のアルバイトなどでしょう。厚生労働省の資料によると、一般的な副業をしている人の仕事内容は「専門的・技術的職業」と「サービス職業」の割合が大きいようです。収入が高めの副業としてもこの2つが挙げられ、それ以外は「事務」「販売」なども比較的高めであることが分かります。
職場によっては副業禁止のケースもあるので、まずは就業規則を確認してみましょう。
男性看護師の待遇面の良い職場へ転職することで、年収を上げることが可能です。以下で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
精神科病院では患者さま一人ひとりに合った対応や、きめ細やかな看護ケアが求められるため、業務の難易度の高さから高待遇な職場も多いでしょう。また、精神科では暴れる患者さまを押さえる場面も想定されるため、危険手当が支給されるケースもあるようです。おおよその月収は、精神科病棟で各種手当を含み25〜35万円円ほどが相場といえます。
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ICUは緊急対応が多かったり、専門性の高い知識やスキルが求められたりするため、看護師の給与が高めな傾向にあります。ICUは重症な患者さまが多いので、患者さまの変化に気づける観察力や、適切な対応を行うための判断力が求められるでしょう。
緊張感のあるICUは特殊業務手当を支給されることが多く、手当の相場は月に1万円〜2万円のようです。ICUの月収相場は、各種手当を含め26〜35万円ほどになります。
手術室は集中力が必要な現場のなか、高度な看護師スキルが必要な職場なので、基本給が高めであったり手当が支給されたりするので、年収アップを狙えます。また、時間外手当や休日出勤手当も支給される職場も多いでしょう。手術室の月収相場は、各種手当を含め27〜35万円ほどです。
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大学病院は国立や公立など規模の大きい職場が多く、福利厚生が充実している病院が多いのが特徴です。もともとの基本給が高めで、手当も手厚い傾向にあります。大学病院の月収相場は、各種手当を含め25〜30万円ほどです。1回の賞与が月収4〜5ヶ月分の職場もあり、転職することで高年収が望めるでしょう。
大手の法人が運営する病院やクリニック、介護施設は経営が安定しているため、高年収を目指しやすいといえるでしょう。福利厚生の整っている職場が多く、看護師が受けられる手当も充実しています。また、十分な研修を受けられる病院が多いので、キャリアアップしやすく年収アップの可能性も上がるはずです。
透析室や透析クリニックは専門的な知識や高い看護スキルが求められるので、看護師の給与は比較的高めです。土日や夜間帯も透析を行う職場の場合、休日手当や夜勤手当も支給されます。透析室・クリニックの月収相場は、23〜30万ほどのようです。安定した収入を望めるため、年収アップにもつながるでしょう。
美容外科クリニックは自由診療のメニューが多く、クリニックの収益が高いのが特徴です。看護師の給与にも反映されるため、高年収を狙える職場といえるでしょう。さらに大手グループが運営しているクリニックも複数あり、福利厚生が充実しています。月収相場30~35万程度のクリニックが多いようです。
また、美容外科クリニックは、現場経験後に人事や企画、営業といった一般職として本部で働くキャリアもあります。規模が大きい会社の場合、店舗管理者だけでなくエリアマネージャー、統括責任者なども狙えるため、年収アップも望めるでしょう。
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ここでは、男性看護師が年収を上げるためにできることや行動を紹介します。男性看護師として安定して長く活躍する方法が知りたい方は、チェックしてみてください。今すぐに行えることもあるので、参考にしてみましょう。
自己分析を行い強みや弱みを理解することで、自分のスキルやキャリアに合った職場が見つかる可能性があります。その結果、現在よりも活躍できる職場へ転職して年収アップが叶うこともあるでしょう。また、得意分野と苦手分野を把握しておくと自分が働きやすい職場や仕事がはっきりするため、「待遇は良いが合わない職場へ転職してしまう」という事態を防ぎやすくなります。
引っ越しや結婚、子育てなどライフステージの変化をあらかじめ考えておくことで、生活に合わせた希望収入や働き方が見えてくるでしょう。たとえば、「3年後は結婚を予定しているので今は夜勤メインで働いて貯金したい」「10年後には家族の介護があるかもしれないので長く安定して働ける職場へ転職しよう」といったものです。具体的に生活の変化を想定しておくことで、状況に合った年収が叶う職場が見つかりやすくなります。
男性看護師としてスキルアップすることで、年収アップにつながります。業務に役立つ新しい知識やスキルを身につければ、前向きな姿勢が評価され、給与が上がる可能性も高いでしょう。スキルアップを目指す方法は、資格の取得だけではありません。専門書で看護や医療を学んだり、勉強会に積極的に参加したりすることでも、看護技術は習得できます。
男性看護師が年収の高い職場を見つけるには、豊富な求人数を持つ転職エージェントの利用がおすすめです。転職エージェントは数多くの求人の中から、一人ひとりに合った職場を紹介してもらえます。基本的には専任の転職アドバイザーが親身になって希望条件をヒアリングしてくれるため、条件にマッチした転職先を見つけやすいのが特徴です。希望年収に合うだけでなく、自分が働きやすい職場だと長く活躍でき、スキルアップ・キャリアアップしやすく年収アップにもつながるでしょう。
転職エージェントによって扱う求人やアドバイザーのキャリアなどは異なるので、自分に合うエージェントを探すことが重要です。
男性看護師の平均年収は474万5,400円であり、基本的に女性看護師より高めです。専門性の高いほかの職種と比べた場合、低いこともありますが、男性看護師は高齢化社会で需要が高くやりがいのある仕事です。また、体力が必要な病棟や介護施設など、男性看護師だからこそ活躍できる職場もあります。高年収を狙う場合は、資格を取得したり、高待遇な職場へ転職したりすると良いでしょう。また、自身の強みや弱みを理解して、自分に合った転職先を見つけることで長く活躍でき、安定した収入を得られます。
希望条件に合う職場を探すためには、より多くの情報を知ることが必要です。そのためには、看護業界に特化した転職エージェントがおすすめ。レバウェル看護では、業界を熟知した専任の転職アドバイザーが希望条件をきめ細やかにヒアリングして、豊富な求人の中から一人ひとりに合った職場を提案します。また、高給与の求人紹介だけではなく、選考対策も実施するため、転職を成功させやすいのも特徴です。サービスはすべて無料ですので、安心してご利用ください。
ここでは、男性看護師に関してよくある質問をQ&A方式で解説します。
厚生労働省の「令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況(p2)」によると、看護師128万911人の中で男性看護師は10万4,365人です。女性看護師は117万6,546人なので、大きな差があるのが現状といえます。ただし、病院や診療科目によって男性看護師が多い職場もあるでしょう。精神科病棟や泌尿器科などは、男性看護師も多く活躍しています。
男性看護師が職場でほかの職員と円滑な関係を築くには、相手の性別に関わらず言葉遣いや行動に気をつけ、ほど良い距離を保つことが大切です。周りの雰囲気に左右されず、常に冷静で仕事に真摯に取り組むことで、良好な人間関係を築けるでしょう。
男性看護師の平均年収が約474万円であることをふまえると、1000万はハードルが高いかもしれません。ただし、「男性看護師が年収アップを目指す方法」で記載したように勤続年数を重ねたり管理職に就いたりすることで、1000万に近づくことは可能でしょう。高待遇な職場へ転職するのも効果的な方法なので、希望に近い年収が得られる求人を探してみてください。
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