男性看護師が活躍する割合や実際の給料は?ならではの需要とメリットも解説

2024.1.23

男性看護師の実態 割合・給料・メリットを紹介のイメージ

「男性看護師の割合はどのくらい?」「どのような悩みを抱えやすい?」と気になる男性もいるでしょう。看護師の就業者数は女性が多いですが、幅広い患者さんに寄り添うためにも男性看護師の需要が高まっています。
この記事では、男性看護師の割合や働くメリット、デメリットについてまとめました。また、男性看護師が活躍しやすい職場についてもご紹介。自分に合った仕事探しがしたいという方は、ぜひ内容をご一読ください。

この記事を書いた人
「レバウェル看護」編集部
「レバウェル看護」は累計利用者数47万人(※)を超える看護師専門の転職支援サービス。 編集部の制作体制には看護師経験者や現役看護師を交え、これまでに1,000記事以上(※)を執筆。看護師にとっての悩み・不安・疑問を一番に相談する"相談窓口"になることを目指し、医療・介護の現場で尽力している方々をサポートするためのコンテンツを発信中。 (※)2023年6月時点

男性看護師の割合は全体の8.6%

厚生労働省の「令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、男性看護師の就業者数は11万2,164人でした。看護師全体は131万1,687人、そのうち女性の割合は119万9,523人です。このデータから、男性看護師の割合は看護師全体の8.6%であることがわかります。

【就業男性看護師の年次推移】

年次2016年2018年2020年2022年
男性看護師数8万4,193人9万5,155人10万4,365人11万2,164人

男性看護師は女性看護師と比較すると少ない傾向にありますが、就業者数は年々増加しています。男性看護師ならではの役割に期待できることから、今後も人員の増加が見込まれるでしょう。

出典
厚生労働省「令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」(2024年1月18日参照)

男性看護師が少ない理由

男性看護師が少ない理由には、「看護師=女性の仕事」というイメージが根づいていることが関係しているかもしれません。実際に看護師として活躍しているのは女性が多く、医療・看護分野に興味・関心のある男性のなかには働くイメージが湧きにくいことも考えられます。
看護師として働くには、職員同士でフォローしたり意見を出し合ったりすることが必要です。女性ばかりの病院だと、同性の少なさから「うまくコミュニケーションを取る自信がない」と感じてしまう男性もいるでしょう。

登録は1分で終わります!

男性看護師の平均給料と年収

e-Statの「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の男女別の平均給与と年収は以下のようになりました。年収額は「きまって支給する現金給与額×12か月+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。

男性看護師の平均給与男性看護師の平均年収女性看護師の平均給与女性看護師の平均年収
35万9,900円522万7,200円35万600円506万3,800円

このデータを参考にすると、男性看護師の方が給料や年収が高めの傾向にあるようです。その理由には、女性看護師がライフイベントをきっかけに離職する場合があり、男性看護師はキャリアを継続していることが考えられるでしょう。
なお、実際の給料や年収は、職場の傾向・置かれている地域・経験年数・スキルなどによって変動するので注意が必要です。

出典
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(2024年1月18日参照)

▼関連記事
男性看護師の平均年収はどのくらい?収入アップの方法や将来性を紹介

男性看護師になると後悔する?特有の悩みやデメリット

男性看護師が抱える悩みやデメリットに感じる要素には、女性の看護師や患者さんに気を遣うことが挙げられます。以下で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

女性看護師が大半の職場だと気を遣う

女性の割合が高い職場の場合、業務中や休憩中といったあらゆる場面で気を遣う男性看護師もいます。具体的には、「会話にうまく入れない」「自分の言動が適切なのか不安になる」「休憩場所にも配慮すべきか迷う」などの悩みを抱えやすいようです。特に、男性看護師が自分だけという環境では、周囲にどこまで配慮すべきかを考え込んでしまい、気疲れすることもあり得ます。

女性の患者さんからケアを拒否されることがある

女性の患者さんのなかには、同性看護を希望する方もいます。皮膚科・婦人科・整形外科などでのナイーブな悩みや、身体の介助が求められる場面では、異性に対して拒否反応をしてしまうこともあるでしょう。患者さんによっては男性によるケアを気にしない人もいますが、「嫌がられてしまうのでは」と悩む男性看護師もいるのが現状です。

勤務先の選択肢が狭まる可能性がある

性別によって採用の有無が決まることは少ないのが一般的ですが、病院の傾向によっては女性看護師が有利な場合もあります。たとえば、産婦人科や美容外科のように、女性の患者さんがメインの診療科では、同性同士の方が対処しやすいという理由が挙げられるでしょう。看護師として関心のある分野があっても、状況によっては選択肢が狭まる可能性もゼロではありません。

男性看護師ならではの需要!働くやりがいやメリット

下記では、男性看護師のやりがいや働くメリットをまとめました。デメリットよりもメリットが上回るか、働きがいを感じられそうかを見つめ直してみましょう。

同性同士の看護に取り組みやすい

「同性同士のケアをお願いしたい」「男性看護師に相談したいことがある」というように、男性の患者さんのなかには同性だからこそ安心できる方もいらっしゃいます。患者さんの希望に合わせてケアを提供できることは、同性看護の強みです。また、同性同士の看護を基本としている病院なら、積極的に採用してもらえるメリットもあります。

力仕事が必要な場面で頼りにされやすい

看護師の仕事は、患者さんの体重を支えたり、医療器具を運搬したりと、身体的な負担が大きいこともあります。そのため、体力や筋力に自信のある男性看護師は重宝されるでしょう。夜間帯の仕事が苦ではない人なら、夜勤の回数を増やせるとより戦力として頼りにしてもらえます。

男性看護師が転職するきっかけになりやすい

経験年数を重ねれば、在籍する職場で男性看護師としてのロールモデルになれます。前例があれば、「男性看護師が活躍できる病院はあるのか」「同性の看護師がいる環境で働きたい」と悩む男性にとって、転職を考えるきっかけとなるかもしれません。実際に後輩の男性看護師が入職した場合も、業務の質問やキャリアの相談をしやすいというメリットが挙げられます。

男性看護師が効率的に働くためのポイント

女性看護師が多く活躍するなかで、男性看護師がスムーズに勤務するためには、専門スキルを磨いたり働きやすい職場に移ったりすることが大切です。男性看護師が自分らしく働くためのポイントを以下にまとめました。

専門スキルを磨いてキャリアアップを図る

専門性の高い看護スキルを身につければ、キャリアアップにもつながりやすくなります。具体的には、認定看護師や専門看護師といった上位資格を取得すると、携われる業務範囲が広がるでしょう。また、臨床心理士や介護福祉士のように、目指したい分野での関連資格を手に入れておけば、業務への理解を深められたり待遇が向上したりします。

▼関連記事
男性看護師の将来のビジョンとは?気になるキャリアプランや年収を解説

働きやすい環境に転職する

「現職では同性がいなくて働きにくい」「男性看護師が活躍しやすい環境で経験を積みたい」と考える方は、転職を検討するのも手です。転職先の男女比が気になる場合は、応募前に職員の割合をチェックしておきましょう。職員情報は病院のWebサイトや求人サイトに掲載されていることがあるので、男性が多く在籍している職場を見つけられるかもしれません。

▼関連記事
男性看護師の転職市場の需要は?よくある悩みや活躍できる職場を解説

男性看護師が活躍しやすい傾向にある診療科・施設

この項では、男性看護師が活躍しやすい職場をご紹介します。「どのような場所が合っているのか知りたい」と感じている男性看護師は、ぜひチェックしてみてください。

精神科

精神科では、患者さんが強い抵抗を見せる可能性があるため、動きを押さえるために力のある男性看護師が必要とされます。患者さんが暴れたりトラブルが生じたりするときに、男性看護師が率先して行動することで、ほかの職員から信頼を得やすくなるでしょう。精神科はほかの診療科よりも男性看護師の割合が高く、転職後のキャリア形成をイメージしやすいのもポイントです。

▼関連記事
一般科よりも働きやすいの?精神科で働くメリット・デメリットの話『ナースが物申す』【第87回】

精神科の看護師求人一覧

救急外来

救急外来では、24時間体制で緊急性の高い患者さんに対応する必要があるため、体力のある男性看護師が活躍できます。緊迫感のある環境で患者さんやご家族に配慮しながら、冷静な判断と適切な処置を行うことも重要です。医師や看護師とのコミュニケーションを積極的に行い、日頃から連携を図る姿勢が求められます。

▼関連記事
救急看護師とは?仕事内容や向いている人の特徴について解説

手術室

手術室では、患者さんを抱えたり重量のある機材を運んだりするため、男性看護師の需要が高いといえます。長時間におよぶ手術であっても、体力と集中力を維持できる方は、業務に取り組みやすいでしょう。女性看護師と男性看護師が互いに協力することで、手術中の医師を十分にサポートでき、患者さんのケアもきめ細やかに行えます。

手術室(オペ室)の看護師求人一覧

整形外科

整形外科は、怪我や疾患を抱えた患者さんへリハビリの補助を行う職場です。直接的なケアではないリハビリなら、男性看護師もサポート役として活躍しやすいでしょう。作業療法士や理学療法士といったほかの職種も男性職員がいることが多く、働きやすさを感じやすいといえます。

整形外科の看護師求人一覧

▼関連記事
整形外科の看護師になるには?仕事内容や転職求人の探し方を解説

脳神経外科

脳疾患や頭部外傷の患者さんが多い脳神経外科は、リハビリや検査の補助、歩行介助などを行います。病棟では入浴介助や移乗介助といった同性同士のサポートが求められる場面もあることから、男性看護師が重宝されるでしょう。患者さんが院内での生活を安心して過ごせるよう、チームワークで協力体制を整えていくことが大切です。

介護施設

超高齢化社会が進む現代においては、介護施設で働く男性看護師の需要が今後も高まりを見せていくと考えられます。介護施設では、要介護度が高く寝たきりの患者さんや、身体を思うように動かせない患者さんを支える機会が多いため、体力や筋力のある男性看護師ならスムーズに対処することが可能です。職場によっては看護師も介護業務を担う場合があるので、同性によるサポートで利用者さんに安心感を与えられるでしょう。

▼関連記事
男性看護師が出世する方法とは?活躍しやすい職場や必要なスキルを解説!

男性看護師が働きやすい病棟に転職した体験談

男性看護師として働くYさんは、お子さんが生まれたことで収入アップできる転職を希望されていました。自力で探した求人で一度は内定を得たものの、現在勤めている病院よりも年収が下がるために家族から反対されてしまったそうです。

転職相談を通じて仕事に対する考え方に触れたアドバイザーは、「Yさんは人柄が強みである」と感じました。そこで、Yさんの人柄を活かし、希望年収を叶えられそうな事業所に相談してみることに。その後2件の病院から、面接可能な連絡をいただきました。

そのうち1件の病院は、もともとYさんが気になっていた職場でした。何かの縁だと感じたアドバイザーは、Yさんの良さを全面的に引き出せるようサポートに注力しました。

▼続きはこちらから
未経験の急性期で不採用続き…諦めかけた看護師が人柄で採用された職場とは

男性看護師に関する質問

ここでは、男性看護師が抱えるお悩みや質問に対し、Q&A形式で回答いたします。男性看護師として今後も働いていけるのか不安な方は、ぜひ参考にしてください。

「男性看護師になるのはやめとけ」と言われる理由は?

看護師の仕事は心身の負担が大きく、労働量と給料が見合っていないと感じることが理由として挙げられます。また、体力が必要な場面があると、女性よりも男性看護師に割り振られやすいことも関連するかもしれません。頼りにされるという視点ではメリットになりますが、「男性だから」という理由で高頻度に大変な業務を任されると、負担に感じやすいでしょう。

病院で働く男性看護師のあるあるを知りたいです

女性看護師が多く活躍している病院の場合、患者さんから顔を覚えてもらいやすい傾向にあるようです。また、高いところに置かれている備品を取るとき、積極的に動けるのも男性看護師のあるあるといえます。男性看護師によくあることについては、「男性看護師あるある!?女性が多い職場ならではの苦労や努力をご紹介」の記事も合わせてご覧ください。

男性看護師は患者さんから嫌われるって本当ですか?

そのような事実はありません。看護現場では、患者さんの意見に合わせて臨機応変に対応することが重要です。たとえば、女性の患者さんが女性看護師によるケアを希望される場合は、その意思を尊重するようにしましょう。適材適所の場面を掴めれば、職場における自分の役割を理解することが可能です。

まとめ

男性看護師の割合は年々増加傾向にあります。女性ばかりの病院では周囲に気を遣ってしまうという悩みもありますが、同性同士のケアが求められる場面も多く、男性看護師が活躍できる職場も幅広いといえるでしょう。
看護師として長く働くには、目指したいキャリアや身につけたいスキルを明確にすることが重要です。働きやすさを追求するなら、応募先の男女比も確認し、自分に合った職場を探してみましょう。

レバウェル看護では、プロのアドバイザーがマンツーマンで転職活動をサポートします。男性看護師ならではのお悩みも丁寧にヒアリングし、一人ひとりの希望に適した求人をご紹介。応募先の収入例やキャリア例といった、職場の内部情報も詳しくお伝えいたします。
気になることがあれば、アドバイザー経由で質問することも可能です。現在は明確な方向性が掴めていないという方も、相談のみの利用に対応しています。まずはお気軽にお問い合わせください。

登録は1分で終わります!
この記事を書いた人
「レバウェル看護」編集部
「レバウェル看護」は累計利用者数47万人(※)を超える看護師専門の転職支援サービス。 編集部の制作体制には看護師経験者や現役看護師を交え、これまでに1,000記事以上(※)を執筆。看護師にとっての悩み・不安・疑問を一番に相談する"相談窓口"になることを目指し、医療・介護の現場で尽力している方々をサポートするためのコンテンツを発信中。 (※)2023年6月時点

この情報はお役に立ちましたか?

無料でさらに聞いてみる

「レバウェル看護」を使うと、より詳しく話を聞くことができます。どんな転職先があるのか等も事前に知ることができます。

インタビュー参加者全員にギフト券3,000円分プレゼント!