
看護師として働いていると、患者さんやそのご家族からクレームを言われることもあるでしょう。時には、予期せぬ内容に落ち込んだり、対応に困ったりすることもあるかもしれません。本記事では、クレーム対応の5つのステップや、よくある事例・その対処法を詳しく解説。理不尽なクレームを言われたときの対応にも触れますので、本記事を参考に、落ち着いて対応するコツを掴んでみてください。
患者さんのクレーム対応には基本的な心構えや流れが存在しますが、中でも肝心なのは初動対応といわれています。看護師の対応次第で患者さんの反応も変わるため、問題を悪化させないためにも、以下のステップを押さえましょう。
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患者さんからクレームを言われた際は、傾聴し、苦情に対する謝罪をしましょう。理不尽なクレームを言われると、つい口を挟みたくなりますが、その対応では患者さんをさらに不快な気持ちにさせてしまいます。とはいえ、事実確認を行う前に平謝りを続ければ、ミスを認めたことになり後々困る可能性も。そのため、まずはしっかりと患者さんの声を受け止め、怒らせてしまったという感情に対してのみ謝罪することが大切です。
患者さんへの謝罪を終えた後は、看護師の対応や経緯に関する事実確認を行います。特に、クレームの発生原因が看護師の対応によるものの場合は、関係者に聞き取りを行い、状況を正しく把握することが大切です。事実確認を行う際は、5W1Hをもとに適宜復唱しながら、認識のズレを防ぐようにしましょう。
事実確認を終えたら、患者さんの要望を聞き、解決策や代替案を提示します。患者さんの気持ちを尊重し、寄り添う姿勢を心がけましょう。勢いにのまれて焦るあまり、責任の押し付け合いになったり、議論になったりしないことが大切です。クレーム対応では、迅速さも重要ですが、解決に時間がかかる場合は、曖昧な表現をせずに持ち帰るのも一つの手です。その際は、期日を伝え誠意ある対応を取るようにしてください。
患者さんとの話し合いを終えた後は、信頼関係を速やかに回復させるためにも、改めて丁寧に謝罪しましょう。患者さんの中には、やむを得ない理由から、勇気をもって伝えてくれた人もいるかもしれません。指摘してもらったことに感謝の意を延べ、貴重な意見として今後に活かしていく旨を伝えることが大切です。
クレーム対応では、周囲に内容を報告・共有することも重要です。状況によっては、患者さんに対して師長からの説明や謝罪が必要な場合もあるでしょう。部署全体で改善策を練る姿勢が伝われば、患者さんの怒りも収まるかもしれません。今後の対応に活かすことで、同じクレームの発生を防ぐことにも繋がります。
看護師が受けるクレームにはどのような事例があるのでしょう。ここでは、代表的な5つの項目と対応例を紹介します。クレーム対応の経験がある人は、共感する内容も多いかもしれません。
「待ち時間」は、看護師に向けられる代表的なクレームの一つです。看護師の業務には優先順位があり、すべての患者さんの待ち時間を無くすのは現実的に難しいでしょう。そのため、診察自体の待ち時間はもちろんのこと「質問の回答が遅い」「痛み止めの薬が遅い」など、さまざまな場面でクレームを言われる場合があります。
まずは、待たせてしまったことについて丁寧に謝罪します。その上で、病院や部署の特徴を説明し、待ち時間が予想される場合には、次回から事前にその旨を伝えるよう心がけましょう。混み合わない時間帯を案内するのもホスピタリティのある対応といえます。ただし、確証が持てない不用意な発言は避けるようにしてください。看護師にとっては一瞬で過ぎ去る時間でも、患者さんにとっては貴重な時間であることを念頭に置いておくことが大切です。
看護師の態度やマナーは、場合によって「怖い」「感じが悪い」などマイナスな印象を与えることがあります。後輩看護師や患者さんに対する口調のきつさもそうですが、高齢の患者さんに対するタメ口や幼児語の使用も問題になりがちなポイントです。また、ナースステーションでは「声量が大きい」「私語が多い」といった点も指摘を受ける可能性があります。
身だしなみに対するクレームであれば、可能な限り速やかに対応します。難しい場合は、次回の出勤時までに改めるのが理想です。声の大きさは人によって感じ方が異なりますが、患者さんが不快に感じたのであれば、改善する必要があります。落ち度を認め丁寧に謝罪した後、今後に活かすよう説明しましょう。
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手技に対するクレームは、新人看護師や経験の浅い看護師が受けやすい内容です。特に、採血や点滴確保といった痛みを伴う手技が未熟な場合は、患者さんに苦痛を与えてしまうこともあるでしょう。看護師としてのスキルは、回数を重ねて上達していくもの。時には、ベテラン看護師であっても失敗することはあります。
まずは、苦痛を与えてしてしまったことに対して十分に謝罪しましょう。基本的には一度失敗したら、ほかのスタッフに代わることをおすすめします。ただし、痛みや苦痛を伴わないもので患者さんの同意が得られた場合は、もう一度だけ実施させてもらえないかお願いしてみるのも手です。看護師として成長したいという思いを伝えることがカギかもしれません。
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病院の食事に対するクレームも意外と多いもの。治療食や手術後流動食というように食事を制限されている患者さんもいるため「味が好みではない」「食べにくい」などとクレームを言われることがあります。その際、自分にはどうすることもできない内容だと思わないことが大切です。
まずは、食事のどのような点に不満を抱いているのかを確認しましょう。味こそ変えられませんが、形態やボリューム感などで工夫できる可能性も。次に、必要に応じて医師や栄養士へ相談し、指示を仰ぎましょう。治療上の問題で食事の変更が難しい場合は、看護師だけではなく医師にも説明を依頼すると理解を得やすくなるかもしれません。
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「医師の診察が遅い」「家族への説明はいつになるのか」など、医師への不満を身近な存在の看護師に伝える患者さんもいます。中には「診察が簡易的過ぎる」というように、診察時間が短いことへの不満を抱く患者さんもいるでしょう。
まずは、患者さんの思いを受け止め、怒らせてしまったことに対して謝罪します。次に、できるだけ早く担当の医師に状況を報告し、対応を依頼しましょう。医師がすぐに対応できない場合にはそのままにするのではなく、師長などの上司に相談するのがベターです。
多くの患者さんは、病気や治療に対する不安、家族や仕事の心配、入院による生活の制限や苦痛など、さまざまなストレスを抱えています。そのような状況下では、普段より怒りっぽくなったり、我慢できなくなったりするのも無理はありません。患者さんは、期待があるからこそクレームを言うもの。しっかりと受け止めることで、より良い看護の提供に繋がる可能性があることを理解しておきましょう。
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患者さんの心情を理解し、一人ひとりに寄り添う看護を心がけていても、時には患者さんやそのご家族への対応に困難感を抱くこともあるでしょう。現に、レバウェル看護公式Instagramのストーリーズにて「看護師つらい……と感じる瞬間ってどんな時?」とのアンケートを実施したところ、対応に苦悩している看護師の現状が垣間見えました。
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患者さんのクレームは、自身の接し方を見直すことで減少する場合もあります。クレームに悩んでいる人は、患者さんが自分にどのような印象をもっているかを客観視することで、対策を立てやすいかもしれません。自分に非がある場合は、適宜改善しながら心地よい接遇を心がけましょう。
患者さんは、看護師のコミュニケーションや説明が不足していると「後回しにされている」と感じる場合があります。業務が忙しければ忙しいほど、タイミングに相違が生じてしまったり、対応が疎かになってしまったりして、クレームの原因になる可能性があるでしょう。
患者さんに誤解を与えないためには「次は〇時ごろお伺いしますね」「何かありましたら遠慮なくナースコールでお知らせくださいね」など、ちょっとした一言を添える意識が大切です。「可能な限り目線を合わせる」「必要最低限の言葉にならないよう気を付ける」というように、患者さんと向き合うことを心がけましょう。
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適切でない距離感も、患者さんが不快に感じるきっかけになります。特に、付き合いの長い患者さんに接する際は、砕けた雰囲気になり無意識に失礼な態度を取っている可能性も。患者さんとの関係性に影響はなくとも、ご家族が不快な気持ちになる場合もあるため、注意が必要です。また、私物を触るときは適宜声かけをするなど、患者さんのパーソナルスペースへの配慮も忘れないようにしましょう。
どのような関係性にせよ、看護師と患者さんとの距離感は適切に保つことが大切です。患者さんによって接し方や距離感があからさまに変わることのないよう、節度ある態度を心がけてください。
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過度な心配も、患者さんのストレスに繋がる要因の一つです。そっけなさ過ぎると「寄り添ってもらえない」と不安にさせてしまいますが、患者さんを常に案じ過ぎるのも良い印象を与えません。過保護過ぎる発言や対応は自尊心を傷つけてしまうこともあるため、患者さんの意志や生活を軽んじることのないように気を付けましょう。
看護師が患者さんからのクレームを防ぐためには、以下の3つの方法を押さえることが大切です。前述の内容にあわせて、日々の業務に取り入れてみてください。
クレームを最小限に抑えるためには、マニュアルの作成と周知の徹底が必要不可欠です。これまでに発生したクレームの事例や対応例などをまとめ、スタッフの対応を統一することで、同じようなクレームを防ぎやすくなるでしょう。作成後は、定期的に内容を精査することも忘れないようにしてください。
接遇やマナーは、看護師として徹底したいポイントです。身だしなみに関しては個人によって善し悪しの判断にバラツキがあるため、規定を作成したり、お互いにチェックし合ったりすると良いかもしれません。患者さんから信頼され、安心感を与えられるような看護師を目指しましょう。
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日々思いやりをもって気を配っていても、時としてクレームが発生することはあるでしょう。その際は、記録方法を統一した上で、スタッフへ周知を行います。現場からの意見をきちんと反映し、同じ患者さんに再度不満を抱かせることのないよう、速やかに共有しましょう。また、場面別の対応を想定し、個人的にロールプレイを行っておくのもおすすめ。実際に患者さんからクレームを言われた場合も冷静に対応できるはずです。
患者さんの中には、理不尽なクレームや要求を言う人もいるでしょう。医療従事者に対して理不尽な要求を繰り返す患者さんを「モンスターペイシェント」と呼びます。ここでは、理不尽なクレームを言われたときの対処法を3つ紹介しますので、参考にしてみてください。
患者さんから理不尽なクレームを言われた際に、何よりも大切なのは、1人で抱え込まないことです。我慢をすると大きな精神的負担となるため、先輩や師長、上司などに報告・相談し、話を聞いてもらいましょう。個人の問題ではなく、組織全体の問題として捉え、自分の心を守るようにしてください。
何度も理不尽なことを言われる場合や、クレームの内容によっては、その患者さんと顔を合わせるのがつらいと感じることもあるかもしれません。そのようなときは先輩や師長に相談し、対象患者さんの受け持ちを外してもらうのも手です。決して無理をし過ぎず、早めにサポートを求めるようにしましょう。
クレームが続いて患者さんとのコミュニケーションをストレスに感じてしまう場合は、転職を検討するのも良いでしょう。モンスターペイシェントの対応に頭を悩ませた結果、心身を壊してしまっては元も子もありません。看護師の働き方は多種多様なため、患者さんの評判が高かったり、クレームが出にくい医療機関を選んだりして、安心して働ける職場を探すことが大切です。
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ここでは、患者さんのクレーム対応に悩む看護師によくある質問を紹介します。
看護師が理不尽なクレームを受けた際は、先輩や師長、上司などに報告・相談し、1人で抱え込まないことが大切です。場合によっては「対象患者さんの受け持ちを外してもらう」「転職を検討する」といった方法も視野に入れましょう。苦手な患者さんへの対応方法については「苦手な患者さまはいませんか?看護師さんが苦手とする患者さまとその攻略法!」を参考にしてみてください。
名指しでクレームを受けた際は「患者さんのクレームが発生しやすい看護師の対応」をもとに、自身の接し方を見直してみると良いかもしれません。自分に非がある場合は、適宜改善し、理不尽に感じる場合は、周囲に話を聞いてもらい対策を練るようにしましょう。
看護師はクレーム対応の機会が多いため、落ち込むこともあるでしょう。場合によっては、モンスターペイシェントと呼ばれる患者さんの対応にあたることもあります。新人看護師や経験の浅い看護師の場合は、特に仕事に怖さを感じたり、緊張が高まったりする可能性も。「患者さん対応につらいと感じる看護師も少なくない」では、対応に苦悩する看護師の具体例を紹介していますのでご覧ください。
今回は、患者さんからのクレームに対する看護師の対応について解説しました。クレーム対応の基本は「傾聴と謝罪」「事実確認」「解決策の提示」「再度のお詫びとお礼」「組織での共有」の5ステップです。一人での対応が難しい場合は周りのスタッフへ相談し、一緒に対応してもらいましょう。自身の接し方についても適宜見直しながら、信頼関係の構築に努めることが大切です。
なお「特定の患者さんとの関わりに困っている」「現職の組織体制に不満があり転職を検討している」という方は、レバウェル看護に相談してみませんか?レバウェル看護は、看護師専門の転職支援サービス。抱えている悩みをキャリアアドバイザーに相談できるほか「クレームが少なく働きやすい」「教育体制が整っている」「職場に連帯感がある」などの希望条件を伝えた上で、自身にマッチした求人を紹介してもらうことが可能です。
まだ確実に転職すると決めていない場合でも、第三者の意見を取り入れることで気持ちが楽になったり、現職での対処法が見つかったりする可能性もあります。サービスはすべて無料のため、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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