
認知症看護認定看護師になる方法が知りたい方もいるのではないでしょうか。認知症看護認定看護師になるには、認知症看護分野の実務を含む臨床経験をクリアし、決められた教育課程を修了後、認定審査に合格する必要があります。
この記事では、認知症看護認定看護師の取得の流れや、かかる費用などを解説します。費用の負担を抑えて資格を取得したい方は、認定看護師取得者向けの支援制度も合わせてご確認ください。
認知症看護認定看護師とは、認知症看護の分野において、水準の高い専門的な看護を実践できると「日本看護協会」から認定された看護師を指します。日本看護協会の「認定看護師」によると、2024年12月時点の認知症看護認定看護師の数は、以下のとおりです。
| A課程 | B課程 |
| 1,992名 | 427名 |
参考:日本看護協会「【A課程】認知症看護認定看護師数」「【B課程】認知症看護認定看護師数」2024年12月(2025年12月22日参照)
B課程認定看護師は、2021年度から認定が開始されているため、現時点ではA課程認定看護師の数の方が多いです。ただし、A課程認定看護師は、2029年度で認定審査が終了となるため、今後はB課程の認定看護師が増えていくことが予想されます。これから認定看護師の取得をお考えの方は、B課程の取得を検討するのが望ましいでしょう。
認知症認定看護師の主な役割は、「実践」「指導」「相談」の3つです。それぞれの業務内容について詳しく解説していきます。
得た知識やスキルを活かして、認知症患者さんへ以下のような看護ケアを実践します。
B課程を終了した認定看護師の場合、特定行為がカリキュラムに含まれているため、特定行為が実施できるようになります。医師の指示と手順書に従い、脱水症状の補正や抗けいれん剤、抗不安薬など、タイムリーな投与判断が可能です。
適切な認知症ケアの知識を普及するため、定期的に研修会を開催したり、看護師への技術指導を行ったりします。認定看護師として専門的なスキルや知識を活かし、病院全体の看護の質を上げていく役割を担います。
認知症ケアに関して、職員からの相談に対応するのも役割の1つです。また、認知症ケアチームによる院内ラウンドを実施し、患者さんに合った最適なケア方法を、多職種と協議します。
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認知症看護認定看護師になるには、5年以上の臨床経験のうち、3年以上は認知症ケアに関わる実務にあたることが必要です。指定の学校に入学し、6ヶ月〜1年間の教育課程を修了したあと、認定審査に合格すると認定看護師として活動できます。
ここでは、認知症看護認定看護師になるための方法を解説していますので、参考にしてください。
認知症看護認定看護師の指定教育機関である、兵庫県看護協会「募集要項」では、以下の条件が受験資格となっています。
認定看護分野での実務研修の条件は、認知症患者さんの多い施設や在宅ケア領域などで、3年以上の経験があることです。5年以上の臨床経験があっても、実務研修の条件に該当していない場合は、条件に当てはまる職場で改めて実務研修を行う必要があります。
そのほか「認知症患者さんの看護を5例以上担当した実績」「現在も認知症患者さんの看護に携わっていることが望ましい」などの条件も含まれています。
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認定看護師の教育課程は、「A課程」と2021年度に新設された「B課程」の2種類です。それぞれ教育カリキュラムが異なり、A課程は必修科目615時間と選択科目305時間に対し、B課程は、特定行為研修も含む797時間となっています。
A課程の認定は2029年度で終了予定となっていますが、更新は永続的にできます。また、A課程認定看護師が特定行為研修を受講することで、B課程へ移行することも可能です。
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2025年4月10日時点で、認知症看護認定看護師を目指すための教育機関は、A課程が1つ、B課程では8つの学校が指定されています。学校一覧が知りたい方は、日本看護協会の「認定看護師教育機関別の開講状況・定員数一覧(特定行為研修を組み込んでいない教育機関:A課程認定看護師教育機関)」「認定看護師教育機関別の開講状況・定員数一覧(特定行為研修を組み込んでいる教育機関:B課程認定看護師教育機関)」をご覧ください。
年度によって開講状況は異なるので、調べたい方は日本看護協会のWebサイトで最新情報をチェックしてみてください。
教育機関の一般的な入学試験は、筆記試験(専門科目・小論文)や面接となっています。専門科目は、認知症分野の基本的な知識を問われる内容が多いですが、試験対策は必要です。勉強期間も考慮して、早めに試験準備を始めましょう。
出願期間や試験日程は、それぞれ教育機関ごとに違うため、募集要項の確認が必須です。
日本看護協会「認定の手引き(p.22)」を参考に、2025年度の認定審査の筆記試験内容を以下にまとめましたのでご覧ください。
| 試験会場 | 47都道府県に設置(登録住所地で受験) |
| 出題形式 | マークシート方式・四肢択一 |
| 試験時間 | 100分 |
| 出題数 | ・一般問題(20問/50点) ・状況設定問題(20問/100点) |
| 合格基準 | 合計40問/150点満点中、合格は105点以上 |
筆記試験は、点数に応じA~Cの3段階で評価されます。そのうち合格となるのは、A評価(120点以上)とB評価(105点以上120点未満)です。日本看護協会からの合格率の開示はされていませんが、教育機関によっては認定試験の合格率を発表しているところもあるため、気になる方はチェックしましょう。
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認知症看護認定看護師の取得までにかかる費用は、以下を目安にしてください。
| 費用の内訳 | 費用の目安 |
| 入学検定料 | 約5万円~約6万円 |
| 入学金 | 約5万円~約10万円 |
| 受講料(実習費を含む) | 約100万円~約200万円 |
| 認定看護師認定審査料 | 約5万円 |
| 認定料 | 約5万円 |
| 合計 | 約120万円~約226万円 |
資格取得にかかる費用の目安は、約120万円〜約226万円です。そのほか、参考書代や実習中の宿泊費なども自己負担に含まれます。入学に伴い引っ越しが発生する場合は、引っ越し費用や就学中の家賃なども別途発生するため、余裕を持って見積もりしておくのが望ましいでしょう。
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認定看護師の費用はどれくらい?職場の支援や奨学金の制度を受けられる?
厚生労働省の「認知症施策推進基本計画(p.1)」によると、認知症と軽度認知障害の高齢者数の合計が推計1,000万人を超え、高齢者の約3.6人に1人が認知症もしくはその予備群といえる状況です。
国の施策で進めている認知症対策として、「医療従事者等の認知症対応力向上の促進」が挙げられます。これは、認知症の方への対応力を高めることを目的とした、医療従事者向けの研修です。研修を受けた人が現場で共有することで、適切な認知症ケアの普及に繋がるでしょう。
病院や介護施設、在宅など、どの現場においても実践頻度の高い認知症ケアを適切に行える看護師の必要性は高いといえます。指導や相談にも対応できる認知症看護認定看護師が専門性を発揮できる場は多く、需要がなくなることはないでしょう。
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認知症看護認定看護師を取得することで、活躍の場が増え、待遇アップにも期待ができます。ここでは、認知症看護認定看護師になるメリットを解説します。
認定看護師を取得すると、活躍の幅が広がります。これまで病棟業務だった看護師も、看護管理部門で病院全体の業務を任されるケースもあるようです。勤務する診療科が限定されない問わない認知症看護認定看護師は、介護施設や訪問看護など、病院以外の職場でも重宝されます。
認知症看護認定看護師を取得すれば、年収が上がる可能性があります。日本看護協会「2022 年度 専門看護師・認定看護師に対する 評価・処遇に関する調査報告書(p.26)」によると、認定看護師資格の手当があると回答した看護師は41.2%で、毎月資格手当が支給される場合の平均額は、8,530円という結果です。数字だけで見ると、看護師によっては手当にあまり期待できない印象を受けるかもしれません。待遇に納得いかない場合は、資格を評価してもらえる職場に転職するのも選択肢の1つです。認定看護師資格があれば、役職に就くチャンスを増やせます。
「資格を取得したいけど、費用が不安…」という看護師は、奨学金や資格取得支援の活用がおすすめです。ここでは、資格取得時の支援制度についてご紹介します。
日本看護協会の「認定看護師教育課程奨学金」では、認定看護師を取得する人向けの奨学金が利用できます。上限120万円までを無利子で利用でき、ほかの奨学金との併用も可能です。返還期限は、最長2年間となります。認定看護師制度の運用元からの借り入れなので、安心して活用できるでしょう。
職場によっては、認定看護師資格の取得を費用面でサポートしてくれることもあります。支援内容として、入学金や受講料などを負担してもらえるケースが多いようです。なかには、就学期間中の給与を保障してくれる病院もあります。支援の内容は勤務先によって異なるため、気になる方は事前に相談してみましょう。
日本看護協会の「分野別所属先種別登録者数一覧」を参考に、認知症看護認定看護師の所属数が多い職場を紹介します。
| 病院 | 訪問看護ステーション | 診療所・クリニック | 介護保健施設など | 学校・大学 | |
| A課程 | 1,658名 | 74名 | 18名 | 95名 | 33名 |
| B課程 | 392名 | 8名 | 3名 | 7名 | 4名 |
参照:日本看護協会「分野別所属先種別登録者数一覧」
認知症認定看護師の配属先で最も多いのは、病院です。とはいえ、認知症を抱える方や認知症ケアにあたる看護師は、在宅や介護施設など、病院以外にも多くいます。今後、認知症看護認定看護師が活躍する領域が増えていけば、コミュニケーションが難しいとされる認知症患者さんのケアに悩みを抱える看護師も減るでしょう。認知症看護認定看護師は、認知症患者さんのQOL向上のための体制づくりやスタッフの指導など、看護実践だけではなく、包括的な役割も期待されるといえます。
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ここでは、認知症看護認定看護師に関する質問を、Q&A形式でお答えしていきます。
実務経験5年とそのうち3年間は認知症分野での経験が必要です。その後、指定の教育機関に入学してから教育課程の修了までに6ヶ月〜1年ほどかかります。教育機関に入学するまでの準備期間も含めると、7年ほど見込んでおくのが望ましいでしょう。ある程度の年数がかかるため、就業中の方は職場に働き方の相談することをおすすめします。認定看護師の取得の流れは「認知症看護認定看護師になるには」を参考にしてください。
認知症看護認定看護師以外に認知症に関わる資格は、「認知症ケア専門士」や「認知症介助士」、「認知症ライフパートナー」などが挙げられます。実務経験が必要なものから試験合格のみで取得できる資格まで、受験資格はそれぞれです。資格の詳細は「看護師向けの認知症の資格とは?取得方法や難易度を分野ごとに解説!」でまとめているので、興味がある資格があれば挑戦してみましょう。
認知症看護認定看護師になるには、5年以上の臨床経験と、そのうち3年以上は認知症の方の看護ケアに従事していることが求められます。指定の教育機関でカリキュラムを履修し、認定審査に合格すると認知症看護認定看護師として働けます。取得までに時間や費用がかかりますが、支援制度を上手く活用すると費用を抑えることも可能です。
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