
年齢に不安を抱えて転職を踏み出せない看護師もいるのではないでしょうか。看護師の転職に年齢制限はありません。年齢を重ねている看護師の方が、長年の経験やスキルが評価され採用に繋がりやすい職場もあります。本記事では、転職を考える看護師の年齢に関する情報や歓迎されやすい年齢を職場ごとに解説。キャリアチェンジをお考えの方は、転職時に役立つ年代別のアピールポイントも紹介していますのでご覧ください。
結論からいうと、看護師の転職に年齢制限はありません。「労働施策推進法第九条」によると、看護師だけにかかわらず労働者の採用に年齢制限を設けることは禁止されています。また、看護師は年齢よりも経歴やスキルが重要視される傾向にあり、看護業界の人手不足の影響も相まって、年齢による影響を受けにくい職業です。
看護師は何歳になっても転職できるチャンスがあります。
ただし、長期キャリア形成を図る観点から若い人材を採用したり、技能やノウハウの継承の観点から人材が少ない特定の年齢層に限定して応募したりなどの例外もあるため注意が必要です。
ここでは、転職を希望する看護師の年齢層や年代別ごとの転職理由を解説します。同じ年代の看護師がどのような理由で転職に至っているのかを詳しく見ていきましょう。
厚生労働省「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況(p.14)」より、年代別の退職理由の上位3位を以下の表にまとめました。
| 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | |
| 第1位 | 結婚(13.1%) | 結婚(15.7%) | 子育て(16.1%) | 親族の健康・介護(12.7%) |
| 第2位 | 転居(12.7%) | 妊娠・出産(15.2%) | 結婚(13.0%) | 自分の健康(10.4%) |
| 第3位 | 看護職のほかの職場の興味(11.5%) | 子育て(14.5%) | 妊娠・出産(11.9%) | 結婚(10.4%) |
参照:厚生労働省「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況(p.14)」
20代は結婚や転居といったライフイベントに次いで、「ほかの職場への興味」が多くなっています。数年働いてみて、興味のある分野が出てきたり、今の職場が合わないと感じたりして転職を考えるケースが多いでしょう。
30~40代看護師の退職理由の上位3位は、いずれもライフイベントによるものです。子育てや結婚で働き方を見直したり、妊娠を機に退職を選んだりなど理由はさまざま。40代になり徐々に子育てが落ち着いてくると、パートから正職員への転向を考え始める人もいるかもしれません。
50代は親族や自身の健康上の理由が多くなっています。体力面や今後のことを考えて、日勤メインや病院以外の職場へ転職する看護師も多いでしょう。また、これまでの豊富な経験を活かしてキャリアチェンジしたり、理想の看護師像を追い求めて新たな職場で挑戦したりする場合もあるようです。
日本看護協会の『2023年度「ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析」結果(p.8)』を見ると、年度ごとに変動はありますが、2023年度の求職者数で最も多い年齢が「60歳以上」となっています。次いで「45~49歳」「50~54歳」の順となっており、40~60代で転職を考える看護師は多いことが分かるでしょう。
年齢制限がないとはいっても「転職は若い方が有利そうだから、40代で転職する看護師はあまりいないのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、40代以降に転職を考える看護師は比較的多い傾向にあります。
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看護師の求人募集で年齢制限を設けることはできませんが、歓迎されやすい年齢はあるようです。ここでは、歓迎されやすい看護師の年齢を職場別に紹介しますので参考にしてみてください。
急性期病院や大学病院は、夜勤や残業なども多くハードワークになりやすいことから、体力のある20〜30代の看護師が歓迎される傾向にあります。
高度かつ最新医療に後れを取らないよう、日々の勉強やスキルアップへの意欲も必要です。最新医療を学びたい、専門性を極めたいなど、向上心のある看護師ならば採用担当者からの高い評価を得られやすいでしょう。
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美容クリニックは、来院される患者さまの年齢層と比較的近い看護師が好まれる傾向にあります。応募条件に年齢制限を設けることは禁止されているものの、「20~30代活躍中」といった表記を目にすることもあるでしょう。
ただし、美容クリニックは基本的な看護技術が求められるため、年齢だけ条件に当てはまっていても採用されるとは限りません。必要とされるスキルや美容クリニックの特徴、患者さまのターゲット層などを分析してから応募することが大切です。
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治験コーディネーターも、20~30代看護師の採用が多い転職先の一つです。看護師免許のように医療資格は必須でないものの、医師や被験者さまへの説明、病院の各部署との調整などを行うことが多い仕事です。
そのため、疾患や薬学に関する知識はもちろん、病院の内部事情についてある程度把握している看護師の方が採用に有利になりやすいといえます。企業によっては、「臨床経験3年以上」と条件がある場合も。新薬開発に携わるため、自ら積極的に知識を吸収する意欲も重要です。
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保育園で働く看護師の仕事は、園児の健康管理がメインです。難しい医療スキルは求められにくいものの、判断から対応まで一人で行うことも多いため、豊富な知識やスキルを持った30~40代の看護師は歓迎される傾向にあります。
保育園によっては保育補助を行う場合もあり、体力に自信のある看護師や子育て経験のある方であれば、強みを活かせる場面は多いでしょう。
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クリニックも30~40代の看護師が歓迎されやすい職場の一つです。クリニックは病院と比べて看護師の在籍数が少ないため、一人で基本的な看護業務を行えるスキルが求められます。場合によっては受付業務や事務処理などの看護業務以外を行うこともあるでしょう。
そのため、経験の浅い20代看護師よりも、状況判断力や視野の広さが身についていると判断される30代以降の看護師の方が歓迎される傾向にあります。
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公務員看護師とは、おもに都道府県や市町村などの自治体が運営する病院に勤務する看護師などを指します。
運営母体が行政であるため安定した収入や充実した福利厚生に期待ができ、将来見据えて働きたいと考える30~40代の看護師と、長期キャリア形成を図る病院の方針ともマッチしているでしょう。
一般的に、公務員になるには公務員試験に合格しなければなりませんが、公務員看護師の場合は公務員試験の受験は不要な場合が多く、職場の採用試験に合格すれば公務員看護師として勤務できます。
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慢性期病棟は、個々を尊重したケアや在宅復帰に向けた調整など、急性期看護とは違った難しさがあります。急性期病棟に比べて容体の不安定な患者さまは少ないものの、看護師一人あたりの受け持ち数が多く、日常生活ケアや基本的な看護スキルは求められるため、一定の経験を積んだ30~40代看護師の方が活躍しやすいでしょう。
「病棟勤務の経験を活かしたいけど、もう少し落ち着いた環境で働きたい」という看護師にもおすすめです。
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30~40代看護師が好まれる職場に看護学校の教員も挙げられます。看護学校の教員には、看護スキルだけではなく教育者としての力も必要です。
30~40代看護師であれば、新人看護師の育成や管理業務に携わった経験を活かせるでしょう。看護ケアは教科書どおりにいかないことが多々あります。実際の現場の状況もふまえて知識を伝えられるのも、経験のある30~40代看護師ならではの強みだといえるでしょう。
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基本的に一人でケアを行う訪問看護師は、40~60代のベテラン看護師が歓迎されやすいです。利用者さまやご家族の生活に寄り添いながらケアを行うため、柔軟性やアセスメントスキルといった点においては、多くの患者さんを看てきた40~60代看護師の方が高い評価を得られます。
訪問看護師は、利用者さまやご家族との信頼関係も必要です。若い看護師には相談しにくいという利用者さまやご家族もおり、状況によっては年齢が武器になる場合もあるでしょう。
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看護師が数名または自分だけという状況下で、迅速な判断や臨機応変な対応が求められる介護施設は、経験豊富な40~60代の看護師が好まれる傾向にあります。高齢者やそのご家族とのコミュニケーション、ほかの職種との連携が重視されることも歓迎される理由の一つといえるでしょう。
病院で行う業務に比べて医療行為は少ないものの、医師が常駐する介護施設は少ないです。そのため、40~60代の看護師が長年の経験で培った観察力や応用力は、介護施設で働くのに非常に重視されるスキルだといえます。
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ほかの看護師が年齢やキャリアに応じてどのような職場を選んでいるかを詳しく知りたい方は、「看護師さんのキャリア図鑑」も参考にしてみてください。
ここでは、看護師が自身の年齢の強みを転職でアピールするときのポイントをご紹介します。「転職を考えているけど年齢面で不安がある」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
経験の浅い20代の看護師は、「成長意欲の高さ」をアピールすると良いでしょう。採用担当者に今後の活躍をイメージしてもらえると好印象を残せます。新しい環境にも柔軟に対応できる力や吸収力などを強みとして伝えるのも良いかもしれません。
3~4年目以降の看護師になると、基本的な看護スキルは身についていると判断される場合が多いため、培ったスキルをアピールするのも効果的です。
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30代の看護師は、「即戦力」をアピールするのがおすすめです。看護師として一定の経験を積んだことをアピールできれば、採用担当者に「業務を安心して任せられそう」と思ってもらえるはずです。即戦力となる人材はどの職場にいっても重宝されるため、採用を有利に運びやすいでしょう。
教育や管理業務といった求められる役割が増えてくる30代看護師は、新人看護師の指導やリーダー業務などの経験もアピール材料となります。
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「安易な転職を繰り返してキャリアが積めてない……」看護師がキャリアとお金のプロに泣きついてみた
40代看護師の転職活動では、熟練の看護スキルはもちろん、指導者としての統率力にも期待されます。これまで培った経験だけでなく、指導経験やコミュニケーション力といったプラス要素もアピールできれば、選考で良い評価をもらいやすいでしょう。
40代になると看護観が明確になっている人も多いかもしれません。自分の看護観や経験が組織にとって有益であると評価してもらえれば好印象に繋がります。
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多くの患者さんや看護師を見てきた50代看護師がアピールすべきポイントは、豊富な経験と管理能力です。
50代になると、職場内の看護師のほとんどが年下となることもあるでしょう。その中で、若手看護師の相談役や人材を育てる力は重宝されます。現場全体をまとめる力をアピールできれば、管理職を求める職場やベテラン看護師層が少ない職場での評価は高まるはずです。
また、判断から対応までを一人で任せられる安心できる人材は、看護師の在籍数が少ない職場からの採用率も高まるでしょう。
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看護師の50代からの働き方!経験を活かせる職場や転職先選びのコツを紹介
転職で年齢ごとに求められる役割を理解してアピールすることも大切ですが、年齢以外にも注意しておきたいポイントがいくつかあります。ここでは、看護師が年齢以外で押さえておきたい転職のポイントをご紹介します。
看護師1年目や前職の在籍期間が短い場合は、転職に適切なタイミングかどうか慎重に見極めましょう。
看護師1年目はアピールできるスキルも少なく、第二新卒枠や新人看護師と同様の評価をされるケースが多いです。転職の選択肢も狭まるため、思うように転職活動が進まない可能性もあります。
また、前の職場の在籍期間が短い場合、応募先から「まだすぐに辞めてしまうのではないか…」と懸念される場合も。短期離職を繰り返している看護師は、転職に不利になりやすいことを念頭に置いたうえで転職活動を行いましょう。
未経験の職場へ転職する看護師は、教育制度をしっかりチェックしましょう。未経験の職種は、何もかもを新しく教わる必要があります。教育担当者やフォロー体制が不十分だと業務を一向に覚えらず、「新しいことに挑戦したい」という向上心もなくなっていく一方です。
教育体制は求人募集から得られる情報だけでは把握しにくいため、職場見学や応募先のWebサイトの閲覧なども行い、入念に情報を集めることが大切だといえます。
「自分の年齢や状況でも採用してくれそうな職場」を基準に転職先を選ぶのではなく、自分自身の希望条件もしっかり持ったうえで総合的に判断しましょう。
内定をもらうことが最優先になってしまうと、ミスマッチのリスクが高まり、入職後に後悔するかもしれません。募集人数の少ない求人の場合は、タイミングを見逃さないよう焦ってしまうかもしれませんが、希望条件を満たしているかどうかは必ず確認しましょう。
転職時は、転職サイトやエージェントの活用もおすすめです。転職サイトは、希望条件を細かく絞って効率的に求人検索ができます。転職エージェントは、アドバイザーと相談しながら、手厚いサポートを受けて転職活動が進められるため、はじめて転職をする方でも安心して利用できるでしょう。
ここでは、転職する看護師の年齢に関する質問にQ&A形式でお答えしていきます。
何歳まででも看護師として働き続けることは可能です。看護師の定年は60歳や65歳が多いですが、再雇用制度を利用して定年以降も働き続ける人もいます。
ただし、体力や年齢に応じて働き方を変える必要はあるかもしれません。「看護師は何歳まで働ける?60歳以上の転職や定年後におすすめの職場を解説」では、年齢を重ねても働きやすい職場を紹介していますので参考にしてみてください。
日本看護協会の「2021年看護職員態調査(p.3)」によると、回答者(5,119名)の平均年齢は「40~49 歳」が最も多く、平均年齢は41.3 歳でした。看護師の仕事は、ライフスタイルに応じて転職先を変えられるため、年齢を重ねても比較的続けやすいといえるでしょう。今後も高い需要が見込まれるため、将来を見据えて働ける仕事だといえます。
看護師になるのに年齢制限はありません。実際に、社会人経験を経て50歳から看護師を目指す人もいます。社会人から看護師になるには、3年制の看護師養成所に通うのが最短ルートです。
社会人から看護師を目指す人向けに、免許の取得方法や学費などについて「看護師は何歳までなれる?年齢制限の有無や社会人が看護学校に入学する方法」で詳しく解説していますのでご覧ください。
看護師の転職は、年齢による影響を受けにくい仕事です。求人募集に年齢制限はないものの、職場によって歓迎されやすい年齢がある場合もあるため、年齢が不安で転職に踏み切れない看護師もいるようです。
年齢が不安材料になっている場合は、在籍している看護師の年齢層をチェックしてみると良いでしょう。また、年齢によって期待される役割が違うため、自分の培った経験やスキルが応募先の求める看護師像にマッチしていることをアピールできるようにしましょう。
「転職したいけれど、やはり年齢的な不安が拭えない…」という看護師もいるかもしれません。悩みを抱えてお困りの方は、看護師の転職に特化した「レバウェル看護」をご利用してみませんか?
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