ナースが物申す
2021.6.9
患者の定期処方をドクターが出しているか出していないか、っていう確認するのが看護業務になっている病院は多いはず。それってすごく面倒だし、なかには「処方まだです」って言っても出してくれない先生とかいるし。
あれって普通に考えて看護業務じゃないよね。処方するしないは先生の責任なわけだから。
わたしたちの看護業務だって、抜けてるか抜けてないか、多職種がチェックしてくれるわけじゃないからね。
すべての患者の処方を確認するのって、あれ結構大変で時間かかる。医療チームで助け合うことは大事だけど、各々職務のルーチン業務はそれぞれ各自で責任を取りたいって思う。いや、正直自分の患者の処方くらい自分でちゃんとやれよってめっちゃ思ってる。本音。
繁忙な病院は看護助手と看護の業務がごっちゃになっているとこも多い。昔すごく忙しい病院で働いてた時、病室の掃除や患者の食器の洗い物まで看護師がしているときがあって。いや・・この仕事に看護師免許いる??って疑問に思いながら食器ずっと洗ってた。そんで残業して怒られて自分なにやってんだろうって思いながら。そんでまた患者の病室掃除して・・。いやわたしの本職なに?みたいな。
看護は看護に徹する。
それが看護の質を上げるコツだと思います。うん。
一回くらい経験あるでしょ。患者の入れ歯&補聴器紛失。入れ歯をなくしてインシデントレポートとか書いた看護師は日本にどれくらいいるんだろう。「入れ歯ってね、とても高いものなのよ」って看護師長に怒られたひと、いっぱいいるでしょ。患者さんの便汚染、尿汚染で夜な夜な汚物室で患者の衣服手洗いしたことあるでしょ。日本昔話に出てくるおばあさんみたいに、患者のう●こがついた衣服を自分の手で洗いながら、わたし夜中になにやってるんだろうって何回思ったか。
でもね、自分の持ち物は自分で管理するべきだと思うわ。
いやね、認知症の患者さんだったら、そこまで看護が介入してあげるのが親切なのはわかってるよ。問題はね、そこまで人手がないってことかな(笑)
むかしね、認知症の患者さんが隣のベッドの認知症患者さんの持ち物を自分のと間違えて持って帰ってることがあってね。いや、ていうかそんなことは日常茶飯事。これで看護師に持ち物管理しなさいとか、無理でしょ。(笑)
ひとつの病棟に持ち物を管理できない患者が何人いるって話。でも看護師は数人。いや、普通に考えて看護師が患者の持ち物管理するの、無理があるでしょ。(笑)
時々、ナースコールを看護助手やヘルパーさんが手伝ってくれる病院があります。介護がメインになっている病院とか、すごく忙しい病院とか。
看護師として働きながら、忙しいを言い訳に助手さんやヘルパーさんにナースコール対応を甘えてる自分もいる。助手さん、いつもごめんね。実際コール対応してみれば、トイレ誘導とか「ティッシュとって」とか何ひとつエマージェンシーでないことも多いのだけれど。
でも、基本ナースコールは看護師が対応すべきものだと思う。
ナースコールは、離れた場所にいる患者が看護師にSOSを出せる唯一のツール。訪床してみて即時に転倒転落のリスクを判断したり、急変していることを気づけるのは看護師じゃないですか。だから、大変だけどナースコールは基本看護業務であるべきだと思うな。
そんで新人にナースコールとらせる文化がある病院がまだどれだけあるのか知らないけど、わたしは自分の担当患者のコールは、その担当看護師がとるべきだと思う。新人にナースコールとらせて結果大きな医療事故になったとき、患者家族になんて説明しますか?って話だから。教育の過程で新人にナースコール取らせてました。って、患者家族からしたら「はぁ?」ってなるからね。
入院患者のニーズは多様化する一方で、一番患者に近い存在である看護師の業務はなんでも屋になりつつあると感じます。
むかしむかし看護の在り方を仕分けしたナイチンゲールって、すごい人だったんだなーと思うと同時に、ぜひこの混在化した看護業務をバシっと仕分けてくれる素敵なナースは現れてくれないかしら?と願う。
さぁ看護師のみなさん、明日も一日かんがばりましょう。
マリアンナさんの公式ブログもぜひ読んでみてくださいね。
〈マリアンナさん公式ブログ『看護師になったシングルマザーのブログ』〉
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【バックナンバー】
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〈イラスト:Kaoll〉
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